2013 Fiscal Year Annual Research Report
緩慢糊化性デンプンを有する新規サツマイモの食品素材化技術の開発
Project/Area Number |
23580175
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北原 兼文 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30240922)
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Keywords | サツマイモデンプン / 緩慢糊化性デンプン / レジスタントスターチ / サツマイモペクチン |
Research Abstract |
昨年度に調べた新規サツマイモ2系統(K149、K197)のデンプンは、当初計画のデンプン試料を上回って緩慢糊化性と高アミロース性を示したことから、デンプン試料をこれらに切り替えて実施した。デンプン試料を新たに調製し、詳細に構造特性と機能特性を調べた。両デンプンは、測定原理の異なるヨウ素比色法とコンカナバリンA法、ゲルろ過法のいずれの方法でも高アミロース性であることが確認された。また、これらのデンプンは高アミロース性のみならず、アミロペクチンに重合度6-10の短い単位鎖が多いことも明らかにした。さらに、加熱処理した高アミロース性デンプンのレジスタントスターチ(RS)含量は、当初計画のデンプン試料の約2倍の含量を有することが分かった。RS機能をさらに高める目的で、昨年はイソアミラーゼによりデンプンの最外部鎖のトリミング処理を検討したが分解性の悪いことが分かったので、本年度はデンプンのアルカリ処理、低温老化処理、80MPaの高圧処理を検討した。その結果、K149の高アミロース性デンプンのRS含量は、80 MPaの圧力と70℃で3日間処理したとき約2%増加することを認めた。 次に上記2系統のデンプン抽出残渣からサツマイモペクチンを調製し、市販ペクチンや一般のサツマイモデンプン原料用品種シロユタカのペクチンと比較した。レモンペクチンやリンゴペクチンと比べて、いずれのサツマイモペクチンも中性糖含量が高く、その組成ではアラビノースの割合が高いという特徴を有していた。しかし、サツマイモペクチン間で比べると、K149のペクチンはガラクツロン酸含量が高く、またK197のペクチンはアラビノースとラムノースの割合が高いなど品種間相違があることを明らかにした。
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