2013 Fiscal Year Annual Research Report
アントシアニンの細胞標的分子の同定: MAPキナーゼとの直接結合の解明
Project/Area Number |
23580176
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
侯 徳興 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90305160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 文雄 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70244142)
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Keywords | アントシアニン / 細胞標的分子 / MAP キナーゼ / 親和力 / 直接結合能 / 結合モデル構築 / 細胞癌化抑制能 |
Research Abstract |
アントシアニンは、ブルーベリー、赤や紫色を呈するブルーベリー、サツマイモ、黒米やシソ等の食材に多く含まれているポリフェノール性成分で、抗酸化能をはじめ機能性食品因子として大きく注目されている。平成25年度は、平成23~24年度に見出したMAPキナーゼに親和力および直接結合力を有するアントシアニンを研究材料とし、低分子とタンパク質の結合解析手法を用いて、機能性のアントシアニンと MAPキナーゼの具体な結合部位を解析することによって結合分子モデルを構築した。また、アントシアニンの体内代謝産物の化学構造の情報を収集し、体内のアントシアニン代謝産物とMAPキナーゼとの結合モデルもシミュレーションすることができた。食材原料中のアントシアニン構造より、アントシアニンの体内代謝産物が機能性分子であることが示唆された。3年間の研究成果を総括すると、食材中のアントシアニンが生体内で細胞を異常増殖させるMAP キナーゼに特定な親和力と結合力を示し、その過剰な活性を抑制させ、細胞がん化を防止することを明らかにした。また、アントシアニンとMAP キナーゼの結合特異性や親和力の強さは、薬のMAP キナーゼ阻害剤より弱かった。したがって、食品中アントシアニンが、薬治療より日常生活の継続的な摂取によりがん予防の効果を発揮すると考えられる。これらの研究知見が、疫学調査および動物実験で得られたアントシアニンの癌予防機効果に分子的な根拠を提供するものであり、また、アントシアニン食材の機能性を生かし、機能性食品の開発や健康社会の創出に資質するものでもある。
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[Journal Article] Jun dimerization protein 2 is a critical component ofthe Nrf2/MafK complex regulating the response to ROS homeostasis2013
Author(s)
Tanigawa S, Lee CH, Lin CS, Ku CC, Hasegawa H, Qin S, Kawahara A, Korenori Y, Miyamori K, Noguchi M, Lee LH, Lin YC, Steve Lin CL, Nakamura Y, Jin C, Yamaguchi N, Eckner R, Hou DX*, Yokoyama KK*
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Journal Title
Cell Death Disease
Volume: 4
Pages: e921
Peer Reviewed
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