2013 Fiscal Year Annual Research Report
食の安全を脅かすカビ毒のデトックス法開発に向けた基盤研究
Project/Area Number |
23580185
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
安藤 直子 東洋大学, 理工学部, 准教授 (70360485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 宏明 東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 研究助手 (30440019)
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Keywords | トリコテセン / カビ毒 / 食の安全 / 高感度検出系の構築 / 解毒微生物 |
Research Abstract |
Fusarium graminearum等の糸状菌は、穀類に感染、または、腐生的に増殖する際、トリコテセン系カビ毒を生産する。本研究では、T-2 toxin、4-acetylnivalenol (4-ANIV)、deoxynivalenol (DON)の毒性を低減化/解毒化する微生物のスクリーニングを行った。23年度から25年度にかけて、1万クローンほどの土壌微生物をスクリーニングにかけた。25年度には、絞り込んできた土壌微生物について、さらなる精査を行った。T-2 toxinにおいては、2割程度の微生物がHT-2 toxin, T-2 triol, T-2 tetraolなどの脱アセチル化体に変換され、その毒性は著しく下がることが確認された。4-ANIVが微生物に代謝された場合、そのほとんどがnivalenol (NIV)に変換されていた。また、DONについては、いくつかの微生物がDONを代謝することができ、その毒性が低減化することが示されたが、現在、その代謝物の構造を同定しているところである。以上の結果から、土壌微生物にはトリコテセン系カビ毒の毒性を下げることができるものが相当数いることがわかった。そして、T-2 toxinと4-ANIVの場合、解毒微生物の多くがトリコテセンの脱アセチル化をおこなうことで、疎水性を減少させ、その結果、元々のトリコテセンの毒性が下げることが推測された。 現在、NIV系トリコテセンをより簡易に検出するため、NIV系トリコテセンを酵素的に3,4,15-triacetylnivalenolに変換させ、それらをELISAで一括して検出する系の構築を試みている。そのため、15位のアセチル化を妨げる4位のアセチル基を外せる酵素を探索している。本研究で得られた微生物酵素は、この目的に使用が可能かもしれず、効率的検出に貢献する可能性がある。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Development of a highly sensitive yeast bioassay for trichothecene detection.2013
Author(s)
TANAKA, A., YAMANE, Y., KOMIYA, Y., YAMAUCHI, K., SUGIYAMA, T., ECHIGO, A., USAMI, R., YOSHIDA, Y, ABE, F., MINEGISI, H. and TAKAHASHI-ANDO, N.
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Journal Title
Mycotoxins
Volume: 63
Pages: 161-170
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Identification of a target for collismycin A, a cytotoxic microbial product, by proteomic profiling.2013
Author(s)
KAWATANI, M., INOUE, G., MUROI, M., FUTAMURA, Y., AONO, H., HONGO, Y., KOSHINO, H., IGARASHI, Y, TAKAHASHI-ANDO, N., OSADA, H.
Organizer
AACR Molecular Targets and Cancer Therapeutics
Place of Presentation
Hynes Convention Center (Boston)
Year and Date
20131019-20131023
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