2012 Fiscal Year Research-status Report
食品因子によるインクレチン制御を標的とした糖尿病予防・抑制機能とその機序の解明
Project/Area Number |
23580187
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
津田 孝範 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (90281568)
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Keywords | 食品因子 / 糖尿病 |
Research Abstract |
日本人は元来、インスリン分泌能が低く、食事・生活様式の欧米化による僅かな肥満が加わると容易に糖尿病を発症する。最近この課題の解決手段としてインクレチン制御が浮かび上がってきた。インクレチンとは、食事摂取に伴い消化管から分泌され、膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するペプチドホルモンの総称であり、中でも特にGLP-1(Glucagon-like peptide-1)が2型糖尿病の予防・治療に有効と考えられている。 以上の背景から本研究は、GLP-1の分泌促進作用を持つ食品因子とその機序を解明し、これを活用した新たな糖尿病予防・抑制研究の科学基盤を構築するものである。 前年度までに評価系を確立したので、GLP-1分泌能を持つ食品因子の検討を行い、2種のGLP-1分泌促進作用をもつ化合物を得た。このうち化合物Aについて詳細な検討を行った。その結果、濃度10μM以上でGLP-1の分泌を有意に促進し、細胞内カルシウム濃度を上昇させた。さらに検討した結果、化合物AによるGLP-1の分泌には、CaMKIIの活性化が関わることを明らかにした。以上のように当初の目的の一つであるGLP-1分泌促進作用を持つ食品因子を明らかにし、分泌作用機序についても明らかにできた。最終年度において、もう一つの化合物(化合物B)についても検討を行うとともに、これらの動物個体での検証を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的の一つであるGLP-1分泌促進作用を持つ食品因子を明らかにし、分泌作用機序についても明らかにできているので、順調な進展と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているので、最終年度に向けての課題解決に全力をあげる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の実験が効率よく進んだ結果、消耗品の支出が予定より少額となった。 このため24年度に予定していた物品の購入は、平成25年度研究計画の予算と合わせて 前半に予定することとした。今年度と同様に謝金と調査研究旅費に加えて物品費として使用する。 謝金:1,000,000円 旅費:50,000円 物品費:試薬類、実験動物購入等として 150645円(24年度残額の645円を含む)
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Genistein and daidzein, typical soy isoflavones, inhibit TNF-alpha-mediated downregulation of adiponectin expression via different mechanisms in 3T3-L1 adipocytes.2012
Author(s)
Yanagisawa, M., Sugiya, M., Iijima, H., Nakagome, I., Hirono, S., Tsuda, T.
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Journal Title
Mol. Nutr. Food Res.
Volume: 56
Pages: 1783-1793
DOI
Peer Reviewed
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