2013 Fiscal Year Annual Research Report
光合成色素組成をマーカーとしたアスナロ属選抜系統の遺伝分析と育種への利用
Project/Area Number |
23580195
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋本 良二 岩手大学, 農学部, 教授 (80109157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 比呂志 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター, 育種部長 (10370834)
柴田 勝 山口大学, 教育学部, 准教授 (30300560)
|
Keywords | ヒバ人工林 / 苗木育成 / 開地植栽 / 樹下植栽 |
Research Abstract |
現在、ヒバの植栽においては、きわめて特徴的なことに、樹下植栽が半分を超える現状にあり、樹下植栽に適する系統と開地植栽に適する系統が一致するのか、あるいはちがうのか、大きな関心事になっている。そこで、本年度は、ヒバ系統間における光環境に対する成長反応のちがいについて、32系統を用いた樹下植栽試験地と開地試験地とで、地際直径、樹高などの成長量を比較分析した。ここで、作業仮説としたのは、樹下植栽に適する系統と開地植栽に適する系統が異なるのではないかという点である。供試した植栽苗木は、3グループに分けられ、一つは下北森林管理署管内の天然林優良木から種子を採取し、その実生苗木の中から、苗畑での初期成長が優れている個体等を選んでさし木増殖したもの、もう一つは同管内の林木遺伝資源保存林から採穂しさし木増殖したもの、残りの一つは同管内のヒバ優良木(一千木ストック事業)から採穂しさし木増殖したものである。成長データーは植栽時から7年間のものである。いずれの植栽試験地においても、成長量は系統間で樹高で3倍から4倍のちがいがあった。樹高の年次間の相関は高く(最初大きいものは後になっても大きい)、時間とともに低下するが、植栽時と植栽後7年とでも相関係数は0.8以上であった。32系統について開地での成長と樹下での成長との関係を見たところ高い相関が認められ、相関係数は0.9以上であった。以上を踏まえると、苗木育成段階で初期成長の優れたものが樹下でも開地でも好成績を示すと見られる。光合成色素の分析では、成長と最も高い相関が認められたのはαカロテン含有率であり、次いでクロロフィルa含有率であった。種子芽生えあるいは苗木育成の早い段階で、これら色素によって、有用系統を選抜できる可能性があり、そこで選抜された系統は樹下でも開地でも好成績を示すと考えられる。
|
Research Products
(2 results)