2013 Fiscal Year Annual Research Report
樹冠下におけるGPS信号の劣化を利用した森林モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
23580206
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 尚史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (70263134)
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Keywords | GPS / GLONASS / GNSS / 信号分断度(SIP) / LIDAR |
Research Abstract |
本研究は,森林内におけるGPS信号の分断状況を表す指標であるSIP値から,GPS測位精度および林分蓄積,立木密度などの林分情報を推定する技術を確立しようとするものである。 京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地において測量用受信機(Leica社SR530)を用いて2ヶ月に一度,6回,1時間ずつ観測を行った結果を用いて,開放地,ヒノキ人工林,常緑広葉樹林,落葉広葉樹林におけるSIP値の特性について解析した。その結果,算出する時間は10~15分とした場合に,SIP値と測位精度が最も相関が高くなること,全天写真から算出した開空度やDOP値と比べ,有意に相関が高かったことなどが明らかになった。 また京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林上谷および下谷流域において,ヘリコプターによる高密度LIDARデータを取得すると同時にGPS受信試験を実施し,GPS衛星からの信号受信状況と林分環境との関係を分析した。研究課題開始後に同様の解析を行った論文が発表され(Liu et al., 2011),その再現を試みたが,良い相関が得られず,再検討を行っているところである。 さらに同地域においてGPSおよびGLONASSの双方を同時に利用できる受信機(基地局:Leica社製GR10,移動局:Ashtech社製ProMark100)による受信試験を行い,GPSとGLONASS併用時におけるSIP値の特性を検討した。その結果,SIP値はGPSおよびGLONASS併用時にも測位精度と高い相関を有すること,これまで測位精度の推定が困難であったfloat解にも適用できることなどが明らかになった。 これらの成果により,SIPの有用性が明らかになってきており,次年度以降も引き続き科学研究費補助金を得て,より詳細な解析と実用化に関する研究を実施していく予定である。
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Research Products
(4 results)