2013 Fiscal Year Research-status Report
人工林における炭素固定能の樹木形質を利用した広域的評価
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23580208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
榎木 勉 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10305188)
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Keywords | スギ・ヒノキ / 樹木形質 / 品種 / 施業 / 地形 / 気象 / 樹齢 / 炭素・窒素 |
Research Abstract |
福岡県に位置する九州大学福岡演習林内の140年生のスギ造林地に生育するスギと隣接する二次林化した不成績造林地に生残するスギのリターフォール量およびリターフォール中の炭素・窒素含有量を比較した。二次林に残存するスギの落葉中の窒素濃度は造林地よりも低かった。 大分県に位置する110年生のスギ造林地は植栽後90年目に強度、中度、弱度の間伐が試験的に実施されている。異なる強度の間伐区でリターフォール量と成長量の比較を行った。バイオマスあたりの成長量は弱度間伐区で小さく、中度・強度間伐区で大きかった。中度・強度間伐区間では成長量の差はみられなかったが、強度間伐区でリターフォール量は大きくなった。リターフォール量の増加には雄花生産量の寄与が大きかった。 宮崎県椎葉村にある九州大学宮崎演習林、鹿児島県垂水市にある鹿児島大学高隈演習林、宮崎県田野市にある宮崎大学田野フィールド内に設定されたスギ品種試験地で落葉の採集を行った。スギ品種試験地では昭和43年から46年にかけて在来の12品種のほか九州産精英樹クローン25品種などが同一のフォーマットで植栽されている。在来12品種の落葉の炭素・窒素濃度を測定した結果、同一地域内においても窒素濃度は0.3%から0.9%と大きな変異があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね順調であるが、炭素窒素量分析装置の度重なる故障により、試料の化学分析が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
品種試験地の試料採取ならび化学分析を完了し、品種および環境による樹木形質の違いと生産性(炭素固定能)の違いについてまとめる。間伐実験林で得られた試料も化学分析を完了し、間伐の効果についてまとめる。個体ベースの炭素固定能および林床への炭素供給量を表現する基本モデルの作成には、現時点ではデータが不十分であるので再度検討する。人工林の広葉樹林への導入に関する知見を得るために、森林構造による樹木形質および炭素固量の変化について成長錐から得られたデータも加味して検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
炭素窒素分析装置の故障が頻発し、試料の化学分析が若干滞った。予定した分析用消耗品の購入を進めなかったために余剰金が生じた。 試料の分析に必要な消耗品等に充てる。最終年度の化学分析は予備的なものと予定していたので、これまでと同様のペースでも大きな問題は生じないと考える。
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