2012 Fiscal Year Research-status Report
侵略的外来種ソウシチョウと在来生物群集の関係はシカ密度増加でどのように変化するか
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23580220
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
佐藤 重穂 独立行政法人森林総合研究所, 四国支所, グループ長 (10353707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 伸一 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 主任研究員 (50343801)
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Keywords | 生態学 / 動物 / 林学 |
Research Abstract |
外来種ソウシチョウの侵入が在来鳥類群集へ及ぼす影響がニホンジカの密度増加でどのように変化するか明らかにするために、2000年ごろにソウシチョウが定着し、その数年後にシカの密度が急激に増加した四国剣山系の天然林でソウシチョウと在来鳥類群集の調査を行った。ソウシチョウの密度はシカの増加前に比べて減少していたが、ソウシチョウと営巣ニッチェが重複する在来種ウグイスは密度が大きく低下していた。低木層で優占していたスズタケは、2000年代半ばから著しく衰退して、代わってコバイケイソウ、シコクブシなどのシカの不嗜好植物の増加が認められた。一方、ヒガラ、ゴジュウカラなど、一部の樹洞営巣種は密度が増加していた。こうした鳥類群集の変化はシカの密度増加による植生改変の影響によるものと考えられた。1990年代前半に鳥類群集を調査した履歴がある熊本県の雁俣山と菊池水源において、鳥類群集の調査を行った。雁俣山ではソウシチョウは20年前とほぼ変わらずに高い密度であり、シカによる植生改変の影響は限定的であった。菊池水源ではソウシチョウは20年前には低密度であったが、今回の調査では密度が高くなっていた。菊池水源ではシカの生息痕は確認されなかった。中国山地東部の氷ノ山で鳥類群集の調査を行った、氷ノ山では2000年代後半からニホンジカの密度増加に伴い、コルリ、クロジ、ウグイスなど低木層を利用する在来種が減少すると同時に、一時は増えていたソウシチョウも少なくなっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた四国地区の剣山山系、九州地区の雁俣山、菊池渓谷での調査データが取得できて、経時的な解析も進めているほか、中国地区の氷ノ山でも調査を進めている。これらの状況から、おおむね予定通り進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は最終年度となるため、これまで調査データに加えて補足的調査を行い、それらを取りまとめて、外来種ソウシチョウと在来鳥類群集との関係が、ニホンジカの密度増加によってどのような影響を受けるかについて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、調査に伴う消耗品等を購入する。旅費として、現地調査旅費および学会発表のための旅費を支出する。人件費として、データ入力・資料整理等の研究補助者への賃金を支出する。その他として、現地調査のためのレンタカー借り上げ料、高速道路通行料、ガソリン代等を支出する。
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