2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580266
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
朝比奈 潔 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (10147671)
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Keywords | 鯨類 / 胎盤 / 生殖腺刺激ホルモン / LH / FSH |
Research Abstract |
筆者らはすでに、バンドウイルカ胎盤における黄体形成ホルモン(LH)の産生と分泌について明らかにしている。本研究では濾胞刺激ホルモン(FSH)の産生と分泌について明らかにすることを目的とした。和歌山県太地町で行われるイルカ追い込み漁で捕獲されるバンドウイルカ雌妊娠個体より妊娠中期の個体2個体(中期1; 胎児長 63cm:中期2; 胎児長 87cm)と妊娠後期の個体1個体(胎児長 136cm)から胎盤組織を採取し実験に用いた。 胎盤組織よりRNAを抽出しcDNAに変換後、既知のFSHβ塩基配列をもとにプライマーを合成しRT-PCRで解析したところ、下垂体組織に比べ発現量は少ないものの、妊娠後期胎盤と中期2の胎盤において発現が認められた。 タンパク質としてのFSHを単離する目的で、妊娠後期の胎盤組織を脱血後ホモジナイズし、遠心分離後の上清を試料としてSDS-PAGEを行ったところ、20~25kDa付近にスメア状のバンドが認められた。FSHは糖タンパク質であり、糖タンパク質はスメア状の泳動像を示す傾向があるため、分子量と泳動像からこのバンドがFSHであると考えられた。 バンドウイルカにおいて、胎盤性LHに続き胎盤性FSHの存在がほぼ明らかとなったため、胎盤のFSH受容体(FSHR)の検索を行った。すでに得られていたFSHR部分塩基配列をもとにプライマーを作製し、各胎盤組織でのFSHRの発現をRT-PCRで調べたところ、いずれの胎盤組織においてもFSHRの発現が認められた。特に、FSHβの発現の多かった妊娠後期の胎盤組織において発現が著しかった。 以上から、バンドウイルカ胎盤では、単位組織量あたりのFSHの産生は下垂体に比べ低いが、組織全体では多量のFSHを産生している可能性があり、特に妊娠後期の胎盤においては胎盤性FSHが胎盤組織のFSHRを介して直接作用し、妊娠維持などに関して何らかの役割を果たしていることが示唆された。
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[Journal Article] Larval pufferfish protected by maternal tetrodotoxin2014
Author(s)
Itoi, S., Yoshikawa, S., Asahina, K., Suzuki, M., Ishizuka, K., Takimoto, N., Mitsuoka, R., Yokoyama, N., Detake, A., Takayanagi, C., Eguchi, M., Tatsuno, R., Kawane, M., Kokubo, S., Takanashi, S., Miura, A., Suitoh, K., Takatani, T., Arakawa, O., Sakakura, Y., Sugita, H.
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Journal Title
Toxicon
Volume: 78
Pages: 35-40
Peer Reviewed
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[Journal Article] N-methyltaurine N-acyl amidated bile acids and deoxycholic acid in the bile of angelfish (Pomacanthidae): a novel bile acid profile in Perciform fish2014
Author(s)
Okihara, R.S.n., Saito, T., Ogata, H., Ohsaki, A., Iida, T., Asahina, K., Mitamura, K., Ikegawa, S., Hofmann, A.E., and Hagey, L.R.
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Journal Title
Steroids
Volume: 80
Pages: 15-23
Peer Reviewed
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