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2011 Fiscal Year Research-status Report

海洋の真核微生物ラビリンチュラ類が生態環境中の物質循環に与える役割の解明

Research Project

Project/Area Number 23580270
Research InstitutionKonan University

Principal Investigator

本多 大輔  甲南大学, 理工学部, 准教授 (30322572)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords海洋生態系
Research Abstract

ラビリンチュラ類の松花粉MPN法による現存量の測定を継続して行っている。少なくとも毎月1回,兵庫県夙川河口域1点と大阪湾内2点の合計3つの定点において,サンプリング,環境情報の測定,ラビリンチュラ現存量測定,バクテリア現存量測定を繰り返している。さらに,松花粉MPN法の過程で,ラビリンチュラ類の無菌株の作製を行い,それぞれについて18S rDNA配列から系統的位置を把握した。 その結果,夙川河口域定点と大阪湾内定点では,ラビリンチュラ類の現存量および,構成する系統群にも違いがあった。特に河口域に比べ大阪湾内では現存量が1桁ほど少なく,このことは沿岸の局所的な領域に集中する物質を栄養として利用できることを示している。また,系統群ごとに利用できる物質に違いがあり,住み分けをしている可能性について示唆するものと思われた。 また,Real Time PCRを用いて,DNA量から細胞数を推定する方法の開発も行っている。すでに確立した株を用いて,PCRによる特定配列の増幅量と細胞数についての検量線を作成することで,この方法の確立を目指している。しかし,採取した海水の処理法,ラビリンチュラ類の各系統群に対する特異的プライマーセットのデザインにおいて,検討の余地のある結果となっているのが現状で,具体的なデータは出せていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

残念ながら,Real Time PCRを用いて,DNA量から細胞数を推定する方法の開発が遅れている。これまでに確立した株をテスト・サンプルとして,採取した海水の処理法の検討と,実際の細胞数測定のための検量線の作成を目指している。しかしながら,十分に小さい孔径のフィルターでも,細胞あるいはDNAが通過することを示す結果が出るなど,海水の処理の根本的な再検討が必要な状況である。DNAの精製法も含めて予定よりも作業量が多くなっている。 また,系統群に特異的となるようにTaq Man Probe をデザインしたが,他の系統群に位置する株のDNAをテンプレートにした時にも少量の増幅がみられることを確認している。このような誤差を生じる増幅が起こらないようにプローブのデザインに改善をしていることと,このようなことが実際の測定において影響を及ぼすかどうかを検討していることなどから,予定よりも進行が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

サンプリングを継続し,松花粉MPN法による現存量の測定を行う。さらに,平成24年度以降に予定していた通り,各定点から取得する株を用いて,18S rDNA配列決定をし,系統樹における位置を確定することで,種組成の遷移を把握することを目指す。 また,Real-Time PCR法による細胞数推定法の確立を目指し,その上で,すでに蓄積している各定点の採集物から,分子遺伝学的なテクニックからの現存量推定を行い。より精度の高い情報を得ることを目的とする。 さらに,取得された株のうち,現存量および種組成の遷移を考慮した時に,生態学的に重要な株を選択することができるようになると考えられる。そのいくつかについて,塩分濃度や培養温度を変化させた時に増殖特性が,系統群ごとに差がみられるかどうかを培養実験する。これによって,各株が出現する条件との比較を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は,採取された海水処理法,およびReal-Time PCR 法の開発に予定以上に作業を必要としたことで,Real-Time PCR 法による細胞数の推定を実施することができなかったため,次年度使用額が生じた。次年度は,可能な限りこの課題を克服し,今年度に実施せずに保管しているサンプルを処理するために,この次年度使用額を充てる予定である。他については,予定通りである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 河口域定点におけるヤブレツボカビ類の現存量と構成属の季節的変動2011

    • Author(s)
      上田真由美・土井耕作・本多大輔
    • Organizer
      日本微生物生態学会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2011年10月8日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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