2013 Fiscal Year Annual Research Report
水産食品におけるバクテリオシン耐性リステリア菌の動態と制御に関する研究
Project/Area Number |
23580274
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 浩司 北海道大学, 水産科学研究科(研究院), 准教授 (40250500)
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Keywords | リステリア / ナイシン / バクテリオシン / 耐性菌 |
Research Abstract |
水産食品におけるリステリアの食中毒リスクを軽減するため,リステリア汚染の可能性の高いサケイクラ醤油漬けを対象としたナイシンを利用したリステリア制御法について検討した。その結果,サケ生卵では,ナイシンの単独添加のみでリステリアの発育を効果的に制御できることが明らかとなったが,イクラ醤油漬けではナイシンの単独添加ではリステリアの発育抑制はできず,この要因が食品に含まれる食塩の影響と推察された。そこで,食塩の影響を受けにくく,またナイシン耐性リステリアの制御に不適当な抗菌物質(タンパク質性の抗菌物質)を除いて検討し,ペクチン分解物製剤(ノイペクチン L)に着目した。次に,イクラ醤油漬けにおけるリステリア制御へのナイシンとペクチン分解物製剤との併用効果を検討し,これらの併用によってイクラ醤油漬けにおいてもリステリアの発育を完全抑制することができることを見出した。以上の結果から,水産食品における微生物制御法において,本研究におけるナイシンとペクチン分解物製剤の有用性は,水産加工食品の安全性の向上に大きく貢献できると考えられた。
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Research Products
(3 results)