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2012 Fiscal Year Research-status Report

魚類体表粘液糖タンパク質を基質に用いた新規グリカナーゼの探索

Research Project

Project/Area Number 23580281
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

濱 洋一郎  佐賀大学, 農学部, 教授 (00243999)

KeywordsO-グリカナーゼ / 糖質分解酵素 / O-グリカン / 粘質物 / 魚類 / ムチン
Research Abstract

当初の計画通り,前年度調製した魚類体表粘液糖タンパク質(ドジョウ体表粘液糖タンパク質)を混和した培地を用いて,O-グリカナーゼ産生細菌のスクリーニングを行った.培地heart infusion broth(2.5%)にドジョウ体表粘液糖タンパク質または対象として牛顎下腺ムチン(各0.3%)を加えた液体培地に試料を接種したのち,30℃で7日間振とう培養を行った.培養上清をTLCで分析し,糖タンパク質から糖鎖の遊離の有無を調べた.
試料には,環境の土壌,河川水,海水,湖水などを使用するとともに,O-グリカナーゼ産生細菌と親和性があると考えられる魚類の体表粘質物を鮮魚および生魚から直接かき取った後,試料として使用した.
これまでに得られた知見は以下の通りである.
・O-グリカナーゼの作用によると考えられる糖鎖の遊離は未だ検出されていない.
・シアリダーゼ(neuraminidase)の作用による牛顎下腺ムチンからのN-アセチルノイラミン酸の遊離が検出されたが,同じ試料をドジョウ体表粘液糖タンパク質を含む培地に接種したものからは,KDNの遊離を認められなかった.このことは,シアリダーゼはKDNには作用しにくいことを意味し,O-グリカナーゼ探索のための基質には,非還元末端がKDNによってブロックされているドジョウ体表粘液糖タンパク質は適当であるという当初の考えを支持するものと判断できた.
・スクリーニングと並行して,数種の魚類から粘液糖タンパク質を分離精製,その構造解析を行ったが,KDNの分布と,魚の種,食性,棲息場所などとは,全く関連づけることは出来なかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定に従って,今年度はO-グリカナーゼ産生最近のスクリーニングを中心に行った.これまでに,目的細菌を検出出来ていないが,分離源(試料)を環境の土壌,水などの他に,当初の予定にはなかった魚の体表粘質物を加えるなどの工夫を施し,目的細菌の検出を試みている.
この他に,数種の魚類から体表粘液糖タンパク質を分離精製し,それらの構造を解析することにより,魚の性質(魚種,食性,生息域など)と体表粘液糖タンパク質に含有するシアル酸,KDNとの関係(KDNの分布)を明らかにするなど,他の方面からもアプローチし,研究の進展を図っている.

Strategy for Future Research Activity

細菌の分離源(試料)を,これまでの環境の土壌,水および魚の体表粘質物に加えて,KDNを体表粘質物に含有する魚種を飼育し,そこから定期的に粘液をかき取り試料に用いることを計画している.
研究実績の概要に記したように,KDNが糖タンパク質の非還元末端糖として存在することにより,通常のシアリダーゼによる糖鎖の加水分解は阻止される.このためKDNを身にまとっている魚は,O-グリカナーゼの分離源として,非常に有望な存在だと考えることが出来る.
目的細菌を検出した後は,当初計画に従い,この細菌を分離・同定するとともに,酵素の精製後,諸性質を解明するための実験にも着手する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

スクリーニングに必要な試薬類やガラス器具の購入に加えて,前年度予定していた細菌分離同定に必要な費用,酵素の精製,キャラクタリゼーションに必要な費用を支出する予定である.また,研究成果の発表等の旅費としても支出予定である.

URL: 

Published: 2014-07-24  

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