2011 Fiscal Year Research-status Report
北海道農業における新規参入の新展開とリスク対応の特質
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23580289
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東山 寛 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60279502)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 新規参入 |
Research Abstract |
北海道農業における新規参入の主流の形態はふたつあり、ひとつは都市近郊の園芸部門における参入である。もうひとつは、いわゆる「リース事業」を活用した酪農の新規参入である。本研究では、こうした主流のタイプに留まらない新規参入事例が北海道において現れていることに着目し、浜中町・美深町という定点観測を行う対象地域を設定している。本年度はまずこれに沿って、浜中町、美深町における酪農の新規参入に関する継続的な実態調査を実施した。浜中町においては、新たな参入方式として着目している「分場方式」による参入事例として2件目にあたる事例の実態調査を実施した。美深町においては、同じく新たな参入方式として着目している「経営継承組織」のサポートによる参入事例として3件目にあたる事例の実態調査を実施した。また、本年度は調査対象を拡張し、北海道内における新規参入をめぐる新たな動向を把握することとした。具体的には、1)水田地帯における新規参入事例であり、雨竜町における事例の実態調査を実施した。2)畑作地帯における新規参入事例であり、中札内村における事例の実態調査を実施した。3)道南における新規参入事例であり、北斗市における事例を対象とした。4)浜中町と並んで「農協出資法人」を活用した酪農の新規参入をサポートしている事例として佐呂間町の事例の実態調査を実施した。定点観測を行っている浜中町の「分場方式」と美深町の「経営継承組織」による参入方式については、本研究の研究期間を通じて実態調査を継続し、総合的な評価を行う。また、新規参入の動きとしては傍流であった水田地帯、畑作地帯、道南における参入事例の実態把握を通じて、それをなし得た条件の整理、及び効果的な育成方式を提示する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究期間を通じて定点観測を行う対象地域として設定している浜中町・美深町の事例については、本年度に予定していた事例の実態調査を実施することができた。また、北海道農業における新規参入の新たな動向を地域横断的に把握することを目的に、水田地帯、畑作地帯、道南等に調査対象を拡張することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も定点観測を行う対象地域として設定している浜中町・美深町における継続的な実態調査を実施する予定である。美深町においては「経営継承組織」のサポートにより、2012年度は4件目の参入事例が予定されており、調査対象に加えたい。また、浜中町も含めて酪農地帯では「農協出資法人」を活用した参入方式が起ち上がっており、2011年度はそのひとつとして佐呂間町の実態調査を実施した。2012年度は同様の仕組みを整えている津別町の実態調査を実施する予定である。本研究は北海道農業における新規参入の促進につながるような地域レベルの仕組みづくりへの貢献を目的としており、「農協出資法人」と「経営継承組織」に着目した実態分析を継続する。また、新規参入の促進を図る地域として水田地帯、畑作地帯、道南をマークし、新たな参入事例の実態分析を加える予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
収支状況報告書に記載した平成23年度の未使用額(3,496円)は、平成23年度内に研究を遂行するために必要なコピー用紙の購入に支出している。
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Research Products
(3 results)