2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580307
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥田 郁夫 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (00204123)
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Keywords | 環境経済 / 環境規制政策 |
Research Abstract |
2013年8月にもアラスカ州Juneauを訪れ、資料の収集を継続した。Alaska State LibraryおよびJuneau Memorial Libraryにおいて、1980年代の森林管理に関する資料を収集することができた。また、聞き取り調査も行い、State of Alaska, Department of Natural ResourcesのMr. Kyle Moselle (Large Project Coordinator)および、Southeast ConferenceのMs. Chelly Wright (Executive Director)にインタビューすることができた。今回の資料収集およびインタビューによって、南東アラスカが100年ローテーションにもとづいた持続可能な森林管理(sustainable forest management)への緒に就きつつあることが明らかとなった。 本申請研究では、1950年代以降現在までの、南東アラスカにおける先住民のひとびとと林業との関係を、林業の盛衰の歴史として検証することができた。1980年代に入ると、先住民のひとびとは「1971年アラスカ先住民の請求にもとづく継承的不動産設定法」によって森林などの土地配分を受けた。その際に、配分された土地は、自分たちが組織したコミュニティ会社および地域会社(いずれも株式会社)の所有となった。この各株式会社による1980年代の伐採によって、森林資源は枯渇に近い状況に直面することになった。それゆえ今日、先住民のひとびとの間には、コミュニティ単位で既存の所有地を「持続可能な森林管理」へ転換する、という合意が成立しつつある。本申請研究によって、以上の点が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)