2011 Fiscal Year Research-status Report
ルーラルフリンジにおける野生動物の生息域-農業集落間のバッファーゾーンの設計理論
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23580337
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
武山 絵美 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90363259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
九鬼 康彰 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60303872)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | バッファーゾーン / 獣害 / 空間特性 / GIS / 農村 |
Research Abstract |
1.防獣効果から見て必要なバッファーレンジの検討(対象地域:和歌山県古座川町)(1) 獣害発生強度の評価手法の検討:獣害発生に関する集落単位のアンケート調査結果から,各集落における獣害強度の評価手法を検討した。その結果,被害強度を統一指標によりスコア化し,集落間比較を可能にした。(2) バッファーゾーンの空間構造解析:GISを用い,航空写真および植生図から,集落周辺のバッファーゾーンの形状,面積および植生を計測した。この結果と前述のアンケート調査結果の関連性を分析することにより,地区協働によるバッファーゾーンの適切な管理を通じた獣害対策への取り組みやすさを客観的に評価し,被害や対策実施状況との関係性を明らかにした。ここでは,バッファーゾーンの空間特性を表現しうる新たな概念として,「バッファ発散指標」および「反当バッファ面積」の2指標を検討し,有効性を確認した。すなわち,地区協働によるバッファ管理への取り組みやすさや優先順位の高さは,各地区の農地に固有のバッファ空間特性から客観的に判断できると言える。2.地区住民による管理が可能なバッファーゾーンレンジの検討に向けた予備調査(対象地域:松山市郊外エリア) 平成24年度に計画している研究に向けて予備調査を実施した。具体的には,松山市郊外エリアにおいて銃猟を行う狩猟グループに同行し,狩猟活動の実態を調査するとともに,狩猟エリアのGPS測量を試行して調査手法の課題を抽出した。また,同エリアの林業者および農業者の集落-山林間バッファーゾーンでの活動実態について聞き取り調査を行い,平成24年度の調査計画の策定に向けた知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では,防獣効果から見て必要なバッファーレンジを計測する上で必要となる3指標(集落単位での被害強度スコア,バッファ発散指標,反当バッファ面積)を開発した。これらの指標を用いることにより,地区のグルーピングやランキング化も可能であり,広域レベルでの計画策定において重点地域を検討する際の重要な指標となりえる。また,地区内で農地団地が分散する場合等に,バッファ管理条件が最適化される農地団地の組み合わせを客観的に導き出せるなど,汎用性が高い。これらの指標を開発できたことにより,本研究全体の研究目的の達成に向けて,大きく進展したと言える。 また,H24年度に向けた予備調査により,研究の推進体制が整えられたほか,調査手法の課題も明確になり,H24年度の達成目標もより高く設定できることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で開発した3指標の汎用性を確認するため,他地域への適用を試みる。また,地区住民による管理が可能なバッファーゾーンレンジの検討を行うため,狩猟者や林業者の活動実態を把握するとともに,活動エリアを計測し,空間特性との関連性を分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
バッファーゾーンにおける地区住民の活動実態を計測するため,ハンディーGPSを複数台購入する。また,愛媛県および和歌山県での調査のほか,研究打ち合わせのための旅費を計上する。
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Research Products
(2 results)