2011 Fiscal Year Research-status Report
リサイクル材料に起因する混合土の圧縮特性のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
23580338
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木全 卓 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (60254439)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | リサイクル材料 / 混合土 / 圧縮特性 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では,廃棄発泡プラスチックや廃タイヤなどの廃材を地盤材料として有効にリサイクルするため,骨格中に変形性を有する粒子を含む混合土の圧縮のメカニズムを解明し,これをモデル化してリサイクル地盤材料の有効利用に貢献することを目的としている.1年目の本年度は,これまで研究を進めてきた発泡プラスチックとはポアソン比などの物性が大きく異なるゴムを対象に,積層体模型による一次元圧縮試験を行ってその基本的な圧縮特性の解明とそのモデル化を目指すが,粒子の相対的な移動に起因する成分も含めると検討が複雑になるため,粒子の相対的な移動がない正方・六角配置構造に対象を絞って検討を進めた.具体的には,まず,従来よりも簡易で精度良く制御ができる積層体模型の圧縮試験装置を製作した.そして,この装置を用いてゴム棒とアルミ棒による積層体模型の一次元圧縮試験を行い,圧縮状況を画像解析して圧縮量をメカニズムに応じて分類・評価するとともに,ゴム自身の応力-ひずみ関係と積層体の幾何学的な変形関係から各圧縮成分を算出するモデルの構築を試みた.その結果,変形性粒子に起因する各圧縮成分を概ね妥当に評価できるモデルを提案することができた.また,混合土全体としての圧縮量には,粒子自身の体積圧縮よりも粒子の変形による間隙部分の体積変化が大きな影響を及ぼすことも明らかになった.なお,本年度は,昨年度まで行っていた廃棄発泡プラスチック破砕片混合土の衝撃吸収性に関する実験的検討も並行して継続した.その結果,衝撃加速度の低下率が変形性粒子による弾性変形量に比例することなどが明らかになったが,この成果については次年度に開催される国際会議に論文として投稿している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究実施計画で,今年度は,積層体模型の圧縮試験装置を製作してゴム棒とアルミ棒を用いた一次元圧縮試験を実施し,粒子の相対的な移動が無い場合の圧縮特性を明らかにするとともに,メカニズムに応じて分類された圧縮成分をモデル化することを目的としていたが,これらの目的はおおむね達成されたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
ほとんど当初の研究目的や研究実施計画に従って,今後も研究を推進するつもりである.具体的には,平成24年度に粒子の相対的な移動も考慮した積層体模型の圧縮特性を明らかにし,二次元変形状態における圧縮特性の解明とそのモデル化を目指す.そして,平成25年度ではこれらの成果を三次元状態での検討へと拡張し,さらに,平成26年度にはそのモデル化を試み,研究をとりまとめるつもりである.なお,並行して進めてきた廃棄発泡プラスチック破砕片混合土の衝撃吸収性に関する検討も,一定の成果をとりまとめるまで本研究の一部として継続する予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,当初予算で研究経費の3割がカットされるおそれがあったため,積層体模型実験装置の一部の新規製作を取りやめ,従来のものを改良することで対応した.そのため,約26万円の繰り越しが生じた.これについては,当初計画には入れてなかった次年度の国際会議への旅費や,予想より高額であった積層体材料の加工費などに充てる予定である.なお,交付が決定している経費については当初からの計画どおりに使用するつもりである.
|