2012 Fiscal Year Research-status Report
リサイクル材料に起因する混合土の圧縮特性のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
23580338
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木全 卓 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (60254439)
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Keywords | リサイクル材料 / 混合土 / 圧縮特性 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では,廃棄発泡プラスチックや廃タイヤなどの廃材を地盤材料として有効にリサイクルするため,骨格中に変形性を有する粒子を含む混合土の圧縮のメカニズムを解明し,これをモデル化してリサイクル地盤材料の有効利用に貢献することを目的としている. 2年目となる本年度は,1年目に引き続いてゴム棒とアルミ棒の積層体模型を用いた一次元圧縮試験を行い,圧縮状況を画像解析して圧縮量をメカニズムに応じて分類・評価するとともに,各圧縮成分を算出するモデルのさらなる改良を進めた.具体的には,対象とする骨格構造としては相対的な粒子の移動がない正方・六角配置構造に限定するものの,ゴム棒単体での圧縮試験圧縮試験も行い,圧縮によって生じるゴムの変形や体積変化をより正確に評価してモデルに組み込むことを試みた.その結果,1年目の研究で構築したモデルを,任意のポアソン比を有する材料に対しても圧縮によって生じる体積変化の各成分を概ね妥当に評価できるものへと拡張させることができた. その一方で,本年度も昨年度までに引き続き,廃棄発泡プラスチック破砕片混合土の衝撃吸収性に関する実験的検討も並行して実施した.具体的には,昨年度まで検討していた衝撃を加える側に対する衝撃の軽減効果だけでなく,加えられた衝撃が混合土中を伝播する際に吸収・低減される効果についても検討した.その結果,破砕片を混合することにより同じ剛性を有する土に比べて弾性波の伝播速度が大幅に低減し,土中を伝播する衝撃を大きく低減させる効果を発揮することなどが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究実施計画では,平成24年度は前年度に引き続いて積層体模型の一次元圧縮試験を実施し,粒子の相対的な移動による影響も新たに含めた圧縮成分のモデル化を進める予定であった.しかし,ポアソン比をうまく組み込んで混合体の圧縮特性をより正確に評価できるモデルへと発展させることはできたものの,粒子の相対的な移動による効果まで含めたモデルとして完成させることはできなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的に変更はなく,当初の研究実施計画に沿って今後も研究を推進するつもりである.現段階での達成度は当初計画よりもやや遅れてはいるものの,粒子の相対的な移動が無い条件でのモデルはこの1年でその完成度を高めることができている.したがって,平成25年度はまずこれを粒子の相対的な移動も考慮できるモデルへと拡張させ,二次元変形状態における圧縮特性の解明とそのモデル化を目指す.そして,その成果を三次元状態での検討へと発展させ,平成26年度におけるモデル化の完成と研究のとりまとめへと繋げていくつもりである. なお,並行して進めてきた廃棄発泡プラスチック破砕片混合土の衝撃吸収性に関する検討については一通りの検討が完了したため,平成25年度中にその成果を研究論文として投稿して区切りをつける予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,国際会議での成果発表のため予定外の外国旅費を支出したことと,新たに発売されたWindows8へのソフトの対応の遅れを懸念し,当初計画で予定していた数値&画像解析用のPCは購入しなかった.そのため,約17万円の繰り越しが生じたが,この分については平成25年度にPCを購入する予算に充てる予定である.それ以外の交付が決定している経費については,申請時の計画に従って使用していくつもりである.
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Research Products
(4 results)