2013 Fiscal Year Research-status Report
リサイクル材料に起因する混合土の圧縮特性のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
23580338
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木全 卓 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (60254439)
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Keywords | リサイクル材料 / 混合土 / 圧縮特性 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では,廃棄発泡プラスチックや廃タイヤなどの使用済み材料を地盤材料として有効にリサイクルするために,骨格中に変形性を有する粒子を含む混合土の圧縮のメカニズムを解明し,これをモデル化してリサイクル地盤材料の有効利用に貢献することを目的としている.3年目となる本年度も,1~2年目に引き続いてゴム棒とアルミ棒による積層体模型を用いた一次元圧縮試験を行い,圧縮状況を画像解析して圧縮量をメカニズムに応じて分類・評価するとともに,各圧縮成分を算出するモデル式の検討を進めた.具体的には,まず,混合土の骨格構造として粒子の相対的な移動がない正方・六角配置構造について,各圧縮成分をより正確に評価できるようにモデルの算出式を再検討し,圧縮力を受けた粒子の変形による側方への膨張分をうまく考慮できるよう改良した.その後,粒子の移動がある一般的な状態にも適用できるモデルへと拡張するため,ランダムな配置構造での圧縮試験を行い,粒子の移動に起因する圧縮成分について検討した.その結果,粒子の移動に起因する圧縮成分をうまく分離・抽出することができ,それぞれを個別に定式化できる可能性が示された.これらの成果は,ジオシンセティックス論文集に論文として投稿するとともに,シンポジウムにおいても研究発表も行った. なお,昨年度末に提出した今後の推進方策にも記載したように,本年度はこれまで並行して実施してきた廃棄発泡プラスチック破砕片混合土の衝撃吸収性に関する検討結果についてもとりまとめを行い,次年度にベルリンで開催される国際会議に論文を投稿する準備も進めた.これについては現在,論文概要が受理され,最終論文を提出して査読結果を待っている状況である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究実施計画では,平成25年度はそれまでの2年間で得られた二次元状態における成果をもとに,混合土の三次元状態における圧縮特性を検討し,これをモデル化することを検討する予定であった.しかしながら,変形性粒子の変形に起因する直接的な圧縮成分に関してはモデル式の精度を改善し,粒子の移動を含む二次元状態における各圧縮成分の検討は概ね完了することができたものの,三次元状態における圧縮特性をモデル化するところまでは到達できなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的に変更はなく,当初の研究実施計画に沿って今後も研究を推進するつもりである.現段階での達成度は当初計画よりもやや遅れてはいるものの,二次元状態における混合土の圧縮特性についてはモデル化する目星が付けられる段階にまで到達することができた.したがって,平成26年度にはまず二次元状態における各圧縮成分のモデルを完成させることに傾注する.そして,これを三次元状態へと拡張することを検討し,モデル化の完成と研究のとりまとめへと繋げていくつもりである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,前年度に購入を見送ったPCを購入したことによる分の支出が増加したが,粒状体の一次元圧縮試験装置は製作しなかったためである.したがって,その分の支出が抑えられ,17万円の前年度繰越金に対して次年度への繰越金は5万円程度となった. 大きな金額ではないが,基本的には平成26年度に行う実験の装置や材料費に充てる予定である.それ以外の交付が決定している経費については,申請時の計画に従って使用していく.
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