2012 Fiscal Year Research-status Report
農村生態系の遺伝的多様性をはかるDNAマーカー単離手法の開発
Project/Area Number |
23580340
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
小出水 規行 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (60301222)
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Keywords | マイクロサテライトDNA / 遺伝的多様性 / 農村生態系 |
Research Abstract |
当研究課題では,遺伝的多様性をはかるために汎用されているマイクロサテライト(MS:CA,CT等の数塩基の繰り返し配列)DNAマーカーの単離手法の開発に焦点を当て,魚類や昆虫類等の様々な生物種に適用できる効率的な手法の開発に取り組む.平成24年度は昨年度に構築した単離工程に基づく手法開発を行った.主な実績は次のとおりである. 単離工程は①DNA抽出→②DNA断片の作成→③MS入りDNA断片の回収→④MS塩基配列の決定に要約される.各工程の特徴として,①では市販の抽出キット及び自動抽出機等の使用により,高純度のゲノムDNAを抽出できる.②では特定の制限酵素または超音波ホモジナイザーの利用により,200~数1,000塩基のDNA断片を作成できる.③ではビオチン修飾したMSプローブを用い,磁気ビーズとの結合によってMS入りDNA断片を効率良く回収できる.④ではTAクローニング及びダイレクトシーケンス等を適用して,回収断片の塩基配列を簡便に決定できる. コイ科のEsomus metallicus(魚類),アキアカネ科のSympetrum frequens(トンボ類),アミ科のMesopodopsis tenuipes(アミ類)等を対象に当手法を適用した結果,各生物種について数100のMS塩基配列データを取得することができた.現在,これらの配列については,集団内における遺伝的多型や多様性等のマーカーとしての利用可能性について解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の当初計画は,23年度に構築した工程に基づいて手法開発を行うことである.研究実績の概要に記したように、その内容は計画がおおむね順調に進展していることを表している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,24年度に開発した手法の改良と検証,検証に用いる供試サンプルの捕獲を収集状況に応じて実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)