2013 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる常緑針葉樹の植物季節の時間・空間変化傾向の解析
Project/Area Number |
23580344
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 庸 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (00323486)
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Keywords | 地球観測 / リモートセンシング / 植物季節 / 気候変化 |
Research Abstract |
本研究課題では,衛星リモートセンシングデータを利用して,常緑針葉樹の植物季節の時系列変化とそれらの空間的変化の解析を試みた。 使用したデータはMODIS-MCD43データセットであり,8日間ごとに1つの画像として提供される。したがって1年間のデータは45時点の画像によって構成され,2001年~2012年における540時点の画像を対象とした。画像の空間分解能は約500mであるため,常緑針葉樹がまとまって分布する地域を研究対象地域とする必要があった。そこで,栃木県・鹿沼市近郊の地域と北海道・大雪山国立公園の東部地域を研究対象地域として設定した。常緑樹のみではなく,落葉樹が混在しているピクセルが多く存在していたため,植物群落GISデータやMODISデータよりも高い空間分解能を持つALOS-AVNIR2データを使用し,常緑樹が多く分布する地域を選定した。MODISデータから,NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)とGRVI(Green Red Ratio Vegetation Index)の2つの植生指標の画像を作成し,選定した地域における540時点(12年間分)の植生指標の時系列変化データを得た。これらのデータに,ロジスティック関数をあてはめることによって,常緑針葉樹の繁茂期・最盛期・衰退期の時期についての情報を導出した。 GRVI画像から導出した常緑針葉樹の繁茂期の開始時期(12年間の平均値)は鹿沼市近郊において4月上旬,大雪山東部の場合は5月中旬であり,約1ヶ月の違いがあった。特に,GRVI画像から導出した,鹿沼市近郊での繁茂期の開始時期と春季の平均気温(2月~4月)との間に高い相関関係が確認され,衛星リモートセンシングデータによって常緑針葉樹の植物季節の時系列変化が把握できることを示した。
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Research Products
(5 results)