2013 Fiscal Year Annual Research Report
氷結晶成長過程の可視化による品質劣化抑制のための食品冷凍技術の確立
Project/Area Number |
23580347
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩本 悟志 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (00373233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西津 貴久 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40228193)
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Keywords | 農業情報 / 界面科学 / エマルション |
Research Abstract |
食品が冷凍される際,食品中の水が相変化し氷結晶が必要以上に大きく成長してしまうと,食品内部の微細構造や組織が破壊され,その品質が著しく劣化する.氷核の成長や水と細胞膜および組織との境界(界面)での氷結晶成長のメカニズムを明らかにして,食品の品質を維持できる冷凍条件を策定する.本研究では,顕微鏡観察に適した単分散油中水滴型エマルションを用いることにより,水滴界面での凍結現象を可視化して,界面での氷結晶成長過程を解析し,品質劣化の少ない冷凍食品の製造法を確立する.(1)本年度は、昨年度に引き続き単分散微細水滴エマルションの調製、(2)単分散水滴エマルションの熱物性測定(5)氷結晶成長速度の算出と数理モデル化(6)数理モデルによる各種食品における最適冷凍条件の提案を行った。 (1)については、マイクロチャネル(MC)乳化装置を用い液滴径の相対標準偏差が10%未満の単分散エマルションを作製することに成功した。(2)については、前年度に引き続き微細水滴エマルションの凝固・融解曲線からそれぞれ,凝固温度,融解温度ならびに凝固エンタルピー,融解エンタルピーを算出した。液滴径の大きさと凝固温度の相関についても一部把握することができた。さらに界面活性剤の違いによる凍結温度の違いについても一部明らかにできた。(5)については、市販の冷却ステージを用いて-20℃で観察を行った結果、水滴間での氷による液滴連結の形成を確認できた。しかし、さらに温度を下げて実験を行うべく顕微鏡視野の冷却に必要な冷熱源に低温の窒素ガスを送風するシステムを採用したが、微細液滴の過冷却状態が解除せず定量的な画像データを習得することが困難であった。(6)に関しては、(5)でのデータの蓄積が不十分であったので数理モデルの構築には至らなかった。
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Research Products
(1 results)