2011 Fiscal Year Research-status Report
高分解能衛星データと複数デジタルカメラを用いた森林動態の3次元モニタリング
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23580358
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
久保 守 金沢大学, 電子情報学系, 助教 (90249772)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 計測工学 / 森林工学 / 地理情報システム(GIS) |
Research Abstract |
本年度は,連携研究者と共に6月から10月まで継続的に計5回,森林調査のために東京大学北海道演習林を訪問し,数年前からカラマツハラアカハバチによる食害が発生している8カ所のカラマツ林において,インターバルカメラと魚眼レンズ付き可視及び近赤外カメラを使って林冠を撮影した。使用した魚眼レンズは画角180度の円周魚眼レンズであり,2次元水準器を使ってカメラの光軸を正確に鉛直上向きに調整して,1回の撮影で全天360度の範囲の林冠の状況を取得した。一つのカラマツ林において多地点で撮影を行った。また,測量機を使って各樹木の位置と高さを計測した。 林床の多地点で鉛直上向きに撮影した林冠魚眼画像を使って,単木レベルの森林の3次元計測手法の開発に取り組み,樹冠ステレオマッチング手法を考案した。また,魚眼カメラによる林冠の可視画像と近赤外画像を組み合わせた樹冠画素抽出処理を考案し,抽出した樹冠の植生指数を算出することにより,カラマツ樹冠のスペクトル季節変動データを取得した。さらに,樹木の測量データと林冠の魚眼画像を組み合わせたコンピュータグラフィックス手法を考案し,単木レベルの森林データを立体的に可視化するシステムを構築した。これらの成果は学会で発表した。 本年度の研究成果は,カラマツハラアカハバチの食害におけるカラマツ林の季節変動データとして,さらには森林動態の3次元モニタリング手法および単木レベルの地理情報システム構築の基礎技術として意義あるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
森林動態の3次元モニタリングの目的に対して,魚眼カメラによる林冠全天画像の樹冠ステレオマッチング手法を考案し,樹冠のスペクトル季節変動データを取得した。単木レベルの森林GISを構築する目的に対して,樹木の測量データと林冠の魚眼画像を組み合わせた森林可視化システムを構築した。以上の通り,本研究の目的をおおむね達している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の調査およびデータ解析の改良点を連携研究者と共に検討する。それを踏まえて,調査地の森林を単木レベルで継続的に調査し,季節変動および年々変動データを取得する。取得した時系列データを3次元的に可視化するシステムを構築する。対象地域の衛星データを購入し,地上スペクトルデータと比較する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は,東京大学北海道演習林のカラマツ林の調査およびデータ解析,研究成果の発表および関連研究の調査のために使用する。
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Research Products
(4 results)