2011 Fiscal Year Research-status Report
要素変換機能を導入した有限要素ー離散要素法の開発とテラメカニックスへの適用
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23580359
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 洋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80172302)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | シミュレーション工学 / テラメカニックス / GPU / 有限要素法 / 離散要素法 / 要素変換 / けん引性能 / 農用タイヤ |
Research Abstract |
まず研究の元になる既に開発している2次元有限要素-離散要素解析法(FE-DEM)について,車輪の剛性条件が異なる場合においても安定的に高精度な結果が得られるようなアルゴリズムの検討と実装を行った.次いで,車輪の接近に伴い有限要素から離散要素へ要素モデルを変化させる部分について,特に有限要素の節点情報を離散要素の要素情報へ変換する方法についての研究文献調査を行ない,飛翔体の構造物への衝突応答解析において,離散要素モデルではない他の粒子モデルへの変換を試みた研究事例をいくつか見いだし,本研究でのFE-DEMにおいて,有限要素から離散要素への要素変換における各種物理量の変換方法を中心にアルゴリズムの検討を行なった.さらに,計算機利用環境への習熟を図るため,グラフィックプロセッサ(GPGPU)を搭載したパソコン型ワークステーションを導入し,FE-DEMのうち,特に計算時間を要する離散要素法を用いた簡単な土の接触問題を対象として,離散要素形状を球の組み合わせで作成する複合モデルとした3次元解析を行い,複合モデルを用いた解析においても高速化が実現することを確認した.また,次年度以降予定している農用タイヤのけん引性能実験の準備として,どのようなラグ・パターン形状のタイヤがラグ面接触力計測に適しているかを耕うん機用タイヤの中からラグ・パターンの候補形状を選択し,小型3軸力センサを導入してセンサへの埋め込み方法,配線の配置,タイヤ駆動系の問題点を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既に開発している車輪のけん引性能の2次元有限要素-離散要素解析法(FE-DEM)について,車輪の剛性条件が異なる場合に動的接触解析が不安定となったため,解析の安定化のための接触アルゴリズムの検討と改良プログラムの精度確認に時間を要した.そのため,当初年度内に予定していた要素変換を取り入れた2次元FE-DEM解析プログラムの完成には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2次元での要素変換機能を取り入れたFE-DEM解析プログラムの完成を目指す.特に要素変換部分を目標とし,簡単ないくつかの例題によるプログラムの作成を行ない,解析精度を確認しながらテラメカニックス問題への適用を試みる.また,GPUによる高速化の手法の習得と結果の精度検討の一環として,もとのFE-DEMにおいても高速化が可能かどうかを実際にプログラムをGPU用に書き換えて実行し,比較検証する.さらに,次年度以降計画している農用タイヤのけん引性能計測実験により得られた実験結果と2次元要素変換機能付きFE-DEMプログラムによる解析結果を精査し,3次元化のためのアルゴリズムの検討を行なう.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度導入したワークステーションシステムにはソフト開発環境がインストール済みであったため,当初予定していたプログラム開発環境の購入については最新情報の収集と製品価格を調べるに留まった.次年度に新たに最新情報を確認し,また研究遂行状況を見ながら,GPU用のプログラム開発を容易にする機能あるいは開発作業の時間短縮のような特徴をもつプログラム開発環境用ソフトを導入することを計画している.また,他の次年度の研究予算は農用タイヤのけん引性能計測のためのセンサ等の購入を柱とする当初研究計画どおり執行する予定である.
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Research Products
(2 results)