2012 Fiscal Year Research-status Report
要素変換機能を導入した有限要素ー離散要素法の開発とテラメカニックスへの適用
Project/Area Number |
23580359
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 洋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80172302)
|
Keywords | シミュレーション工学 / テラメカニックス / GPU / 有限要素法 / 離散要素法 / 要素変換 / けん引性能 / 農用タイヤ |
Research Abstract |
既に開発している2次元有限要素法―離散要素法結合解析(以下FE-DEMと略す)について,車輪の剛性を低下させた条件での解析の安定かつ高精度な解析について検討を行なった.局所座標系を用いた有限要素解析部の接触距離の算出法などのアルゴリズムの再検討により,車輪滑り率が小さい条件を除き,2次元FE-DEMにより基本的に過去の文献例に近い解析結果が得られることを確認した. 要素変換機能については,小規模の例題の検討を行ない,DEM要素の初期配置を最密充填に近いものとすること,またFEM要素からDEM要素化する際のDEM要素の圧密時間の設定方法を調査した.なお,FEM応力場のDEM解析への引き継ぎについては,現在も検討中である.車輪走行問題への適用については,過去に実施した直列領域分割を取り入れたDEM解析法をもとに,2次元の要素変換機能アルゴリズムの検討,ならびにFE-DEM解析プログラムへの実装作業を開始した. 解析の高精度化高速化については,FE-DEMにおいては車輪解析のアルゴリズムの検討を実施していたため,本年度はDEMを対象に実施した.既に開発した2次元DEMプログラムのアルゴリズムの検証と解析精度確認を,研究代表者が過去に実施した2次元モデル履板による推進力実験結果を利用して精査した.それにより,DEMにおいて履板沈下がやや大きくなるものの履板厚さが薄く高さが高い場合のみ推進力が大きくなることから,DEM解析部分は十分な解析精度を有することが確認できた.高速化については,2次元履板解析においては,OpenMPによる並列化を行ないうとともに,過去の土の切削実験を対象として,GPUを利用した3次元並列DEMプログラムを開発し,要素形状を球から複数球の組み合わせとすることで,GPUでは約5倍の高速化を実現するとともに実験結果と遜色のない結果が得られることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の課題になった車輪の剛性条件が異なる場合のFE-DEM動的接触解析の安定化かつ高精度化作業に時間を費やした結果,全体的に研究進度がやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初のFE-DEMプログラムの開発目標を達成するべく研究進度を上げるため,各FEM,DEMプログラムごとの解析精度の向上と解析の高速化を並行して進展させつつ,本研究の要素変換機能アルゴリズムについての検討ならびにプログラム開発を行ない,それをもとにFE-DEM解析として統合する予定である.既にアルゴリズムの検討や個々のプログラムの高精度化は開始している.また,低剛性時の車輪走行性能の高精度な動的解析を安定的に実施するためのプログラムの更新ならびにタイヤのけん引性能実験データの収集を行なう.タイヤの実験計測においては,タイヤ空気圧を低下させたけん引走行実験を実施する予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
所有するタイヤの土槽実験装置に関して,装置駆動系と土の前処理部の改造が必要なので,そのための部材の購入を当初計画どおり実施する.
|
Research Products
(4 results)