2013 Fiscal Year Annual Research Report
要素変換機能を導入した有限要素ー離散要素法の開発とテラメカニックスへの適用
Project/Area Number |
23580359
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中嶋 洋 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80172302)
|
Keywords | シミュレーション工学 / テラメカニックス / GPU / 有限要素法 / 離散要素法 / 要素変換 / けん引性能 / 農用タイヤ |
Research Abstract |
まず,タイヤ滑り率の増加とともに沈下量が増加ならびに走行抵抗も増加する実験結果が従来の2次元FE-DEM解析では再現不可の点について,アリゴリズムの検討とプログラムへの実装を行ない,実験結果と定性的に一致した結果となることを実現した.また,高速なFE-DEM解析の鍵となるDEM解析自体の高速化手法の確認として,2D DEMのCPUによる並列計算としてOpenMP,3D DEMのGPUによる並列計算としてCUDAによる接触相互作用問題解析用のプログラム作成を行ない,DEM解析が,それぞれ約3倍,約5倍に高速化できることを確認した.さらに,解析精度検証用に空気圧条件を変えた農用タイヤのけん引性能計測実験を行ない,慣用空気圧条件のみならず低圧条件におけるけん引性能データも取得した. 要素変換について,2次元FE-DEMに変換機能を取り入れた解析プログラムを開発した.なお,当初計画していた変換前の有限要素内の応力の分布状況を変換後の離散要素内においても厳密に考慮する解析は,対象とする有限要素の大きさの精度への影響が事前の数値解析的検討で認められたため,変換前の有限要素配置場所と変換後に生成された離散要素配置の間でズレがないという変位の連続性についてのみを考慮することにした. 開発したプログラムによる計算速度を確認するため,慣用空気圧の実験結果と同等の条件でのタイヤのけん引性能解析を行った.要素変換なしの解析結果と比べて,時々刻々変換を行なう場合ならびタイヤ半径分移動する時間毎に変換を行う場合の二種類の要素変換方法について,それぞれけん引性能結果は変換を取り入れない従来型の結果の挙動と定性的に同等であること,ならびに従来型解析よりも最大で30倍の高速解析が可能なことを確認した.今後,FE-DEM解析の3次元化と並列計算の導入により更なる高速化と高精度化を行なう予定である.
|
Research Products
(5 results)