2011 Fiscal Year Research-status Report
発色剤無添加食肉製品の品質に及ぼす亜鉛プロトポルフィリンIXの影響
Project/Area Number |
23580362
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
若松 純一 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (30344493)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 亜鉛プロトポルフィリンIX / 食肉製品 / 色調 / pH / 安全性 / 食品添加物 |
Research Abstract |
平成23年度は、(1)ZnPP高含有で色調の優れた非加熱食肉製品の開発として、(1)最適製造条件の確立、(2)効率の良いZnPP形成法の開発、ならびに(2)乾塩漬食肉製品の色調に及ぼすZnPPの影響として、(1)色調と見た目に及ぼすZnPPの寄与とパラメータ解析について計画した。(1)-(1)については、pH 5.5に調整して製造することによりZnPPの形成量が最大となり、色調の優れた非加熱食肉製品(サラミ)を製造することができた。また、発色剤を添加したものと理化学的ならびに官能的にも同等の色調であった。さらに、JASのドライソーセージの規格(水分含量)にも適合した。(1)-(2)については、12種類の酸について、モデル実験系を用いて至適pHとZnPP形成量を検討したところ、酸の種類により至適pHは異なり、ZnPP形成量も大きく異なることを明らかにした。さらに、微生物存在下ではZnPP形成量が著しく増加するものや、ほとんど増加しないものが存在することを明らかにし、微生物と酸の種類による相乗効果があることが明らかになった。モデル実験系で最も優れた酸を用いてサラミを製造したところ、ZnPP含量は対照区と比べて2倍以上に増加することが示され、発色剤を用いたものと同等の色調であった。(2)-(1)については、筋線維型によってZnPP形成能が異なること、ならびに経時的なZnPPの形成様相が筋線維型で異なることを明らかにしたが、実際の製品(サラミ)ではZnPP含有量が高くても分光測色計による理化学パラメータでは顕著な違いが認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究において、酸および微生物を制御することにより、何も処理していない対照区と比べて、2倍以上ZnPP量を含有する非加熱食肉製品(サラミ)を製造することを可能にした。この製品の色調は好ましいものの、理化学的パラメータでは対照区と顕著な違いが認められなかったため、さらなる改良が必要かもしれない。ZnPP高含有で色調の優れた非加熱食肉製品の開発は、申請書の研究計画・方法において記述した3つの研究項目の1つであり、概ね初年度の計画を達成したものと判断できるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法については、若干の遅れはあるものの、申請時の計画に従い、行なっていく予定であり、計画の変更は現在のところ考えていない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
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Research Products
(1 results)