2013 Fiscal Year Annual Research Report
将来の泌乳と繁殖に関わる子牛のIGF-1産生能の決定因子の解明と人為的制御の検証
Project/Area Number |
23580363
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
国友 千帆 (川島 千帆) 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (20374770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木田 克弥 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70419216)
清水 隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90375113)
白砂 孔明 自治医科大学, 医学部, 助教 (20552780)
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Keywords | 乳用牛 / 一塩基多型 / IGF-1 / GH受容体 / 繁殖 / 代謝 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳牛における乳生産や卵巣機能に重要な肝臓でのインスリン様成長因子-I(IGF-1)産生能の決定要因を遺伝形質および飼養管理の観点から検討することである。 最終年度であるH25年度の研究計画は、①これまで生体レベルで確認されたIGF-1産生能の違いを細胞レベルで確認すること、②GHR-SNPの違いが分娩前後の栄養代謝状態、乳量や繁殖成績に及ぼす影響の検討、③IGF-1産生能の人為的制御を確認するため、強化哺育した牛の初回分娩後の栄養代謝状態、繁殖機能回復や乳量の調査を行うことであった。その結果、①においてGHR-SNPタイプの違いによる細胞レベルでのIGF-1産生能の違いは明らかにはならず、今後、ターゲットとする細胞について再検討の必要があると考えられた。②の調査では、野生型は1頭しかおらず、半変異型と両変異型で比較を行った。その結果、両変異型の方が半変異型よりも分娩前後のBCSが高く、血中GH濃度が低いにも関わらず、血中IGF-1濃度に差はなかった。また、分娩後100日以内の乳量も多くなった。しかし、繁殖成績は両タイプで違いはなかった。③の調査の結果、哺育期に強化哺育した牛とそうでない牛との間に、初回分娩後の乳量や繁殖成績に差はなかった。また、これらの全ての牛のGHR-SNPは両変異型であったため、強化哺育にGHR-SNPタイプも含めた関連性の解析はできなかった。 以上より、H23-25年度の研究結果をまとめると、今回ターゲットとしたGHR-SNPのタイプの違いにより、生体レベルではIGF-1産生能が異なること、強化哺育により子牛時の血中IGF-1濃度は高められるが、IGF-1産生能には影響しないこと、そして、GHR-SNPのタイプは、初回分娩後の乳量やエネルギー状態に違いをもたらすことが示唆された。
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Research Products
(10 results)