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2012 Fiscal Year Research-status Report

高乳量を持続する多回搾乳牛の乳腺組織と全身における代謝動態の解析

Research Project

Project/Area Number 23580369
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

小櫃 剛人  広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (30194632)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 杉野 利久  広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (90363035)
黒川 勇三  広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (00234592)
Keywords乳牛 / 乳生産 / 乳腺組織 / 栄養 / 代謝 / 搾乳回数
Research Abstract

初年度において、搾乳回数の違いは泌乳初期の乳生産に大きく影響することを明らかにした。本年度は泌乳中後期の乳牛においても、搾乳回数の短期間での変更が乳生産と体内代謝に影響するかという点を検討した。
搾乳ロボットを有するフリーストール牛舎で飼養している泌乳中後期牛4頭を用いた。泌乳回数を2回または4回とする処理区を設け、1期9日間とする反転試験を行った。試験牛にはTDN要求量を満たすように混合飼料(TMR)および搾乳ロボット内配合飼料を給与した。摂取飼料全体のTDN含量とCP含量はそれぞれ74%および16%であった。毎日の乳量と飼料摂取量を記録するとともに、各期末に乳成分値を測定した。また、尾動脈および腹皮下静脈を採取し、血漿代謝物濃度およびホルモンの濃度を測定した。
試験期間中の乳生産量は4回搾乳区の方が2回搾乳区に比べて約4 kg多かった。乳脂率と乳タンパク率は2回搾乳区の方が高い傾向にあった。乳脂肪,乳タンパク質および乳糖の生産量はいずれも4回搾乳区の方が多かった。2回搾乳区で体重が増加したのに対して,4回搾乳区では減少した。TDN(推定)および粗タンパク質(実測)の摂取量は, 2回搾乳区がわずかに多かった。
グルコース,トリグリセリド,βヒドロキシ酪酸(BHBA)の動脈濃度および動脈と乳腺静脈との濃度差は,BHBAでのみ4回搾乳区で大きい傾向にあった。乳腺組織での代謝物の取り込み率には,いずれの成分にも搾乳回数による影響は認められなかった。血漿遊離アミノ酸のうち、メチオニン,リジン,アルギニン,グルタミン酸,グルタミンの乳腺組織の取り込み率が4回搾乳区で高い傾向がみられた。
以上のことから、泌乳中後期においても、搾乳回数の違いは乳生産成績および体内の栄養代謝に影響することが示唆された。この時期に搾乳回数を変更することによって、泌乳持続性の調節が可能となるかもしれない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書における平成24年度の研究目的は、泌乳後期での多回搾乳が乳腺組織と全身での代謝に及ぼす影響について検討することとしており、その目的は概ね達成できた。当初は牛群を2群に分けて検討する予定であったが、十分な頭数が揃わなかったため、反転法で実施した。また、研究実績の概要には示さなかったが、内分泌反応の解析も行うことができた。安定同位体を用いた動態解析については、解析手法の検討を行った。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では、平成25年度では夏期における搾乳回数の影響を検討する計画であった。しかし、平成25年度だけでは、夏期に使用可能な頭数が十分でない可能性があるため、予定を変更して、1年間を通じて、分娩前の栄養条件の違いが多回搾乳牛の乳生産と栄養代謝に及ぼす影響を検討することとする。初年度において、泌乳初期での多回搾乳は、乳生産量の増加をもたらすが、栄養状態が悪化する可能性が示唆された。そのため、分娩前の栄養条件を調節することによって、泌乳初期の栄養状態の悪化を改善することができるかどうかを明らかにする。
また、安定同位体を用いた代謝解析については、乳牛を用いた実験が困難なことが想定されるため、泌乳ヤギを用いた検討を行うこととする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

乳牛用の飼料費、分析試薬、実験器具類のための消耗品費に大部分の経費を使用する。アミノ酸分析と血中生化学成分の分析のために機器使用料を計上した。
また、平成25年9月に米国で開催されるシンポジウム(ISEP)に出席・発表するために旅費を計上した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 泌乳中後期における搾乳回数の変更が乳生産に及ぼす影響2012

    • Author(s)
      小櫃剛人・佐々木理沙・杉野利久・谷口幸三
    • Journal Title

      広島大学大学院生物圏科学研究科瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター報告

      Volume: 10 Pages: 1-8

URL: 

Published: 2014-07-24  

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