2013 Fiscal Year Research-status Report
ウシにおける個性の多面的評価と草地管理・利用への応用
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23580371
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
平田 昌彦 宮崎大学, 農学部, 教授 (20156673)
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Keywords | ウシ / 個性 / 反応性 / 大胆 / 臆病 / リーダーシップ / 評価 / 草地管理・利用 |
Research Abstract |
本研究課題の第1の目的である「ウシの個性の体系的把握と理解」のために4つの研究を,第2の目的である「ウシの個性の草地管理・利用への応用方法の探索・検討とその効果の評価・検証」のために1つの研究を実施した。 【1】自発的な草地間の群移動時におけるウシの移動順位について本研究課題開始前の期間を含む5年間のデータを解析した。その結果,移動時に特定の位置をとる個体が存在すること,特定位置が経時的に変化する個体とそうでない個体が存在することが明らかになり,リーダーシップあるいはフォロワーシップの強い個体を特定することができた。また,移動順位に影響を与える因子として,社会的優劣および個性に加え,移動元と移動先の草地の状態が重要であることが示唆された。【2】個性指標の1つとしての探査性に注目し,迷路試験によるウシの探査性の評価を試みた。しかし,迷路踏破に対して高いモチベーションを有したとみなされた個体でさえも,迷路を踏破できなかった。ウシの探査性を適切に評価できる迷路試験を確立するためには,モチベーションの喚起方法ならびに迷路の複雑さについて再検討する必要があると考えられた。【3】採餌における関連付けの持続期間:前々年度に得られたデータを論文としてまとめ,国際誌に受理された。【4】いくつかの指標に基づく個性評価:前々年度に得られたデータを解析し,論文1編としてまとめた(審査中)。【5】移動時にリーダーシップを有する個体の導入が牛群による草地利用に及ぼす影響について,小規模な草地と群を用いて予備的に評価した。実験には,【1】の研究により特定されたリーダーシップあるいはフォロワーシップの強い個体を用いた。その結果,リーダーシップの強い個体の導入が群による草地利用範囲を拡大することが認められた。今後は,より大規模な条件で,リーダーシップを有する個体の導入効果について検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した計画に沿って研究を実施できたのに加え,研究成果を発表(国際誌受理1編)することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
【平成26年度】 データをさらに蓄積するため,また,加齢に伴う個性の変化の可能性を検討するために,平成23~25年度に実施した研究の一部を継続する。同時に,ウシの個性を草地の管理・利用に応用する可能性について検討する。すなわち,前年までに明らかになった個体の個性をもとに,個性から見た構成を異にする実験牛群を人為的に編成する。同時に“空間的に不均一な植生・環境を有する草地”を人為的に創出する。実験牛群を草地に放牧し,草地の利用について,動物側(個体と群のレベル)と草地側から測定し,評価する。さらに,前年度までに実施した実験について,データを詳細に解析し,成果を雑誌論文や学会発表として公表する。 【平成27年度】 平成26年度と同様の調査を行い,データを蓄積する。得られたデータをもとに,ウシの個性を草地の管理・利用に応用する方法について探索・検討し,その効果を評価・検証する。特に,高度な草地管理・利用を実現するために有効な個性の特質,群構成などに焦点を当てて解明する。
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Research Products
(1 results)