2011 Fiscal Year Research-status Report
周産期における新生子牛と母牛の福祉性、特に健康性の評価
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23580378
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
植竹 勝治 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00312083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智夫 麻布大学, 獣医学部, 教授 (40130893)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 牛 / 周産期 / ストレス / コルチゾール / 欧州 / 北米 |
Research Abstract |
本研究の目的は、周産期(分娩前後)における母子牛の家畜福祉性を、特に健康性に焦点を当てて評価することである。 平成23年度については、冬季に分娩したホルスタイン種雌牛4頭を対象に、分娩前後の母子行動を監視装置を用いて記録すると共に、分娩1週間前および分娩後1, 2, 3日目に採血し、分娩後6時間目に採材した初乳中、および、その子牛の出生後6時間, 1, 2日目の血漿中コルチゾール濃度との相関を求めた。 前者については、現在、行動解析中である。後者については、母牛の分娩1週間前の血漿コルチゾール濃度と分娩後3日間の血漿コルチゾール濃度(全てr=0.983, P<0.05)および初乳中コルチゾール濃度(r=0.973, P<0.05)との間に、極めて強い相関が認められ、子牛の出生後6時間目(r=0.94, P=0.06)および2日間(1日目r=0.985, P<0.05;2日目r=0.935, P=0.07)の血漿コルチゾール濃度との間にも、極めて強い相関が見られた。また、初乳中コルチゾール濃度と子牛の出生後6時間目(r=0.992, P<0.01)および2日間(1日目r=0.933, P=0.07;2日目r=0.843, P=0.16)の血漿コルチゾール濃度との間にも、強い相関が認められた。 これらの結果から、分娩前にストレスレベルが高い母牛は、分娩後も引き続きストレスレベルが高いままであり、子牛は、出生前には母牛からの血液を介して、出生後には初乳を介して、その影響を受けることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度ということもあり、調査場所である協力研究機関との連絡調整、および、行動観察用監視装置等の実験機材の入手に日数を要し、研究全体の開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に記録した行動データの解析、および、採材した血中と初乳中の免疫グロブリンの生化学分析を実施する。 また、平成23年度には冬季分娩牛を対象に調査したことから、平成24年度については、引き続き同じ調査協力研究機関において、夏季分娩予定牛を対象に、調査を実施し、供試個体数を増やすようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
採血・サンプル保存用器具類、血漿および初乳中の生化学分析試薬(コルチゾール、免疫グロブリンのEIA分析キット)ならびに、調査場所への出張旅費および成果発表のための学会出張旅費として使用予定
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