2013 Fiscal Year Annual Research Report
近接センシング技術を利用した放牧地一次生産力の時空間変動解析
Project/Area Number |
23580379
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
坂上 清一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・研究支援センター, 業務第2科長 (10414757)
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Keywords | 牧草量 / 分光放射 / 地理統計 / クリギング法 / 不均質性 / 動態モデル |
Research Abstract |
牧草量を非破壊的に推定するため、携帯型分光放射計と偏最小二乗回帰モデルを利用した。初夏から初秋の晴天時、牧草量の最小量から最大量までをカバーするように複数地点を選択し、植生の分光放射率を測定した。同地点の地上部植生を刈取り、生存部と枯死部の乾燥重量と粗タンパク質含有率を求めた。分光放射率から牧草量を推定するために偏最小二乗回帰モデルを作成し、相応の推定精度を得た。 放牧地の牧草量の空間分布を推定する際の適切な距離間隔を決定するため、試験圃場内に設置した40m×40mの方形区内部を1m×1mの格子に区切り、格子頂点の分光放射率を測定後、上記モデルにより牧草量を決定した。測定は初夏、真夏、初秋の3回繰り返した。牧草量の空間分布をバリオグラムモデルで解析したところ適切な距離間隔は3-6mとなった。 一次生産力を測定するために、試験圃場内に複数の測定ラインを設置した。ライン内に生育する牧草の放牧牛による採食を短期間排除するため、ラインを電牧線で囲い禁牧状態とした。禁牧直後にライン1m間隔ごとに植生の分光放射率を測定し、広範な牧草量データを求めておき約1-2週間後に再度同様の測定を行い、その差分から各牧草量ごとの生産力を推定できた。一般的に、春季の高成長、夏季の成長停滞、秋季の低成長を示した。 牧草量および生産力の時間的空間的変動を推定した。試験圃場内に50m×50mの定置方形区を3点設定し、各定置方形区内を調査用格子サイズ4m×4mに区切り、格子の頂点(1方形区あたり169頂点)における分光放射率を、約6ヶ月の放牧期間中約4週間毎に同地点の測定を繰り返した(試験中8回計測)。分光放射率から牧草量を推定するとともにクリギング法によって牧草量分布および生産力分布を得た。今後、拡張型logistic方程式(Sakanoue, 2007; 2009; 2013)を適用しながら解析を進める。
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