2011 Fiscal Year Research-status Report
肝臓に発現する新規リポ蛋白レセプター(LRP12)の機能解析-脂質代謝制御基盤-
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23580385
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 幹 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20250730)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 鶏 / 肝臓 / リポ蛋白 / 脂質代謝 |
Research Abstract |
申請者がこれまでの研究で同定していたヒトLRP12と相同性の高い分子のクローンは、ヒトと比べて若干N末端側の配列が短い。そこで、5’-RACEやRandom primerを用いたRT-PCRなどの様々な手法を用いて、真の配列を同定したところ、鶏LRP12の真の転写配列は、ヒトの配列や鶏ゲノムから推定された配列より、5’側の配列が300bp短く、N末端側から約100アミノ酸残基短いことが明らかとなった。次に、大腸菌発現ベクターおよび哺乳動物細胞発現ベクターにこの配列を組み込み、リコンビナントタンパク質を作成し、抗体を作成した。作成した抗体は、約95kDaのタンパク質を認識し、これは、アミノ酸配列から推定された分子量より大きかった。よって、細胞内で糖鎖の付加がされている可能性が推察された。そこで、LRP12タンパク質を各種クロマトグラフィーにより精製し、糖鎖を染色するPAS染色を行うことにより糖鎖の付加を確認した。最後に、LRP12の鶏の脂質代謝における重要性の確認と代謝的意義を推定するため、遺伝子発現を解析し、肝臓に特に多く発現していること、コレステロールの負荷でその発現が変動しないこと、産卵期にはその発現が亢進することを確認した。すなわち、LRP12は鶏における脂質代謝の大きな変動時である産卵期に、その発現が促進されることから、産卵期における脂質代謝に大きく関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪の過剰蓄積(脂肪組織・肝臓)は、ヒト、そして家畜・家禽の脂質代謝異常を引き起こす代謝障害であり、その発現機序の解明と具体的な抑制法の開発が望まれている。本研究の目的は、申請者がこれまで先進的に進めてきた家禽の脂質代謝の中枢を担う新たな分子(リポ蛋白レセプター; LDL receptor related protein 12 (LRP12))の同定と、その機能解析を通じて、「脂質代謝の解明とその制御→無駄な飼料エネルギーの節約と脂質代謝障害の予防」という効率的畜産物生産の技術基盤を構築することを目指すことにある。本年度は、計画通り、LRP12分子を遺伝子と蛋白質の両面から同定し、その発現解析を行った。その結果、これまでヒトでも確認されていないLRP12タンパク質の本体を同定することができ、脂質代謝に新たな分子を提示することができた。さらには、産卵時に本分子の発現が亢進することも明らかにし、本分子の脂質代謝に対する重要性を認識することに成功した。よって、本年度の目標はすべて実施し、また大きな成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして新規リポ蛋白レセプターであるLRP12のリポ蛋白取り込み能を確認するとともに、その代謝的意義を明らかにする(平成24年度)。さらには、未だ明らかとなっていないLRP12の発現制御の可能性を探る(平成25年度)。具体的には、鶏より分離したリポ蛋白質をDiIで蛍光ラベルして、鶏LRP12発現細胞(CHOK1)におけるリポ蛋白質の取り込みを実証する。さらに、取り込むリポ蛋白質の種類(VLDL, LDL, remnant)を同定する。また、鶏初代肝細胞を用いて、LDL receptor、LRP1をsiRNAを用いてknockdownした場合、あるいはLRP12をknockdownした場合のリポ蛋白の取り込みを、前述のDiIラベルリポ蛋白で明らかにし、肝臓におけるリポ蛋白の取り込みにおけるLRP12の重要性を実証する(平成24年度)。平成25年度には、pGL4.10 (Luciferaseがレポーター, Promega)にLRP12 promoterをコンストラクトし、鶏初代肝細胞に導入して、各種栄養素(アミノ酸やビタミン)およびホルモン(性ホルモンやインスリン)に対する応答性を明らかにして、in vivo試験に有効な栄養素を選出する。以上の計画に用いる実験手法はすでに確立済みであり、本年度と同様に着実に進めていけば、計画の完遂に問題はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成24年度)は、主に消耗品、具体的には細胞培養用試薬・器具および遺伝子実験用試薬・器具、および動物に経費を使用する。これまでの研究の積み重ねにより、効率的な試験を行うことにより遂行可能であるが、申請者以外では、本経費で上記の研究計画を遂行することは困難であると思われる。また、研究を遂行するための情報収集のため、旅費が発生する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] dministration of insulin to newly hatched chicks improves growth performance via impairment of MyoD gene expression and enhancement of cell proliferation in chicken myoblasts.2012
Author(s)
Sato, K., Aoki, M., Kondo, R., Matsushita, K., Akiba, Y., Kamada, T.
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Journal Title
Gen Comp Endocrinol.
Volume: 175
Pages: 457-463
Peer Reviewed
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