2012 Fiscal Year Research-status Report
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23580388
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斉藤 昇 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (40211924)
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Keywords | ニワトリ / 浸透圧調節 / アルギニンバソトシン / TonEBP / TRPファミリー |
Research Abstract |
脳内の浸透圧受容体として、TRPファミリーのV1とV4について可能性を検討した。初めに、TRPVファミリーのアンタゴニストの脳室内投与を高浸透圧刺激の前に行い、TonEBPおよびAVTの遺伝子発現への影響を調べた。その結果、有意な変化は見られなかったが、TonEBPの遺伝子発現が浸透圧刺激のみに比べ少し減少する傾向が観察された。したがった、TRPファミリーが浸透圧受容体に何らか関係があることが示唆された。次に、TRPV1のアゴニストであるカプサイシンを脳室内に投与すると、TonEBPおよびAVTの遺伝子発現が低下することが観察された。以上の結果から、TRPV1はTonEBPの発現に抑制的に作用することから、低浸透圧の受容器と関係があるかも指令なことが、示唆された。 しかしながら、今後さらにTRPV1などTRPファミリーがどのように浸透圧受容体と関係があるのか、まだ不明である。今後、TRPファミリーの脳内局在性など、検討する必要がある。 鳥類のアルドステロンは、高浸透圧刺激後に増加し、腎臓におけるナトリウムチャネルの遺伝子発現を減少させることが明らかになった。このことは、従来哺乳類で考えられていた、アルドステロンとナトリウムチャネルとの関係とまったく正反対の作用であるから、今後さらにナトリウムチャネルの遺伝子発現機構を解明し、アルドステロンとの関係を明らかにする必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進展しており、現時点で特に変更するような問題点はないので、当初の予定通り進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、TRPファミリーのタンパク質の脳内局在性などを明らかにし、TonEBPとの共存性など明確にし、浸透圧受容体との関係を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度残額374,064円と24年度予算1,100,000円を合わせて、1,474,064円の予算となる。 試薬など物品費が、874,064円、旅費(成果発表)、100,000円、人件費・謝金など500,000円の予定である。
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