2013 Fiscal Year Annual Research Report
絶滅動物の体細胞核移植によるクローン個体作製に関する基礎研究
Project/Area Number |
23580395
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 博己 近畿大学, 先端技術総合研究所, 教授 (60330320)
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Keywords | 異種間核移植 / クローン動物 / 絶滅動物 |
Research Abstract |
平成25年度には、前年度のマウス-アライグマ異目間核移植胚の発生率向上を目指し、レシピエント細胞質として用いるマウス成熟未受精卵子からのミトコンドリアの除去を試みた。B6D2F1雌マウスにPMSGを7.5IU腹腔内投与後、46~48時間で卵巣を回収し、0.1%ヒアルロニダーゼを含む培養液中で注射針を用いて卵巣を細切し、GV期卵を回収した。卵丘細胞を除去した後、これらのGV期卵を洗浄し、2’,3’-dideoxycytidine(ddC)を1,10,100および1000μMの濃度で含むmTaM培地中で37℃、16時間培養し、成熟させた。成熟培養終了後の卵からTotal DNAを回収し、その後定量的PCRを行って、成熟した卵中のmtDNAのコピー数を解析した。さらに、それぞれの濃度でddCを含むmTaM培地で成熟した卵を用いて体外受精を行い、体外受精後の胚の発生能力について検討した。その結果、どの濃度のddCを含む培地で成熟させて卵においても、明確なmtDNAのコピー数の変化は確認されなかった。また、1000μMのddCを含む培地で成熟させた卵では、受精率(17%)が他の区の卵(40~56%)よりも有意に低かった(P<0.05)。2細胞期胚および胚盤胞期胚への発生は、ddCを100μMおよび1000μMで含む培地で成熟させた卵では低下する傾向が見られた。 さらに、平成25年度にはロシア連邦サハ共和国ヤクーツク市のサハ共和国科学アカデミーの所有する凍結マンモス組織の提供を受けることに成功した。その結果、まだ赤い色を呈している筋肉のサンプル、脂肪のサンプルおよび骨髄のサンプルなどを入手した。筋肉と骨髄の組織切片を作製して観察した結果、特に筋肉組織においてヘマトキシリンに青染される細胞核が多数存在することが認められた。
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