2012 Fiscal Year Research-status Report
甘味および旨味受容体の諸臓器における発現と機能、特に肥満・糖尿病との関連において
Project/Area Number |
23580409
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
谷口 和美 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00171843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕康 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (40183743)
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Keywords | 味覚 / 機能形態学 |
Research Abstract |
代謝関連ホルモンのネットワークを考える時、細胞の栄養レベルの感受は重要である。本課題により、膵臓、腸等に発現し、血中の糖やアミノ酸を受容する味覚受容体が、糖尿病発症・進行にどのような役割を果たしているか解析した。結果、糖尿病になると甘味および旨味に共通する受容体T1R3のmRNAの発現のダウン・レギュレーションが起こることを明らかにした。さらに、また糖尿病モデルマウスの腸管においても、健常マウスと同様、味覚受容体が発言していることを明らかにした。 これらの成果は、下記を含む8回の学会で発表(国内3回、国際学会5回)した。 ・Kazumi Taniguchi, Konno T, Kawasaki M, and Taniguchi K. Down-regulation of sweet receptor mRNAs in diabetic mice. International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT) (Stockholm, Sweden) 2012 June. ・谷口和美、柴田 睦、井上裕康、原 正美、杉山真言、吉岡一機 糖尿病モデルマウス腸管における味覚受容体T1Rファミリーの発現について 日本獣医学会(岩手大学)2012.9.15 ・谷口和美、小川順子、杉山真言、中牟田祥子、吉岡一機 カエルの味覚円盤の比較形態学的研究 日本獣医学会 2013.3.29 現在これらの成果は論文として執筆中である。加えて、著書1冊著した(「味と匂いをめぐる生物学」 第2章 味覚を科学する. アドスリー社、2013年)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験の6-7割は完了したと考えている。あとは、必要な追加実験を行うと同時に、これまでの結果を早く論文の形で発表するため準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
形態学的に味覚受容体の蛋白質の局在やmRNAの発現を明らかにした。今後は機能的な側面に焦点をあてて、実験を展開すると同時に、これまでの成果を早くまとめたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験補助者への謝金と、消耗品に使用予定。また成果発表のための旅費も必要であると考えている。
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