2013 Fiscal Year Annual Research Report
甘味および旨味受容体の諸臓器における発現と機能、特に肥満・糖尿病との関連において
Project/Area Number |
23580409
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
谷口 和美 北里大学, 獣医学部, 准教授 (00171843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 裕康 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (40183743)
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Keywords | 味覚受容体 / 糖尿病 / 肥満 / 加齢 / 免疫組織化学 / in situ hybridization / qPCR / 行動学 |
Research Abstract |
実験はほぼ計画通り終了し、現在論文執筆中である。 味覚受容体は当初、舌や口腔粘膜に分布する味蕾の味細胞に発見されたため、Taste Receptorと命名された。しかし味覚受容体は味蕾のみならず、多くの組織に発現している。本研究の目的は、甘味および旨味受容体の舌の味蕾以外の組織・臓器における発現とその機能を明らかにすることにあった。本研究は(1)舌以外の臓器における甘味および旨味受容体の発現と局在を明らかにし、(2)グルコースやアミノ酸のトランスポーターとの関連において検討し、(3)肥満や糖尿病など代謝に関わる異常との関連を考察することを目的とした。このためマウスとラットを用い、RT-PCR, in situ hybridizationにより、どの臓器の、何細胞に甘味および旨味受容体のmRNAが発現しているか、決定した。また免疫組織化学とウエスタンブロッティング法により、味覚受容体蛋白質の局在を明らかにした。また行動学的解析および定量PCRにより、味覚感受性が肥満、糖尿病、加齢条件下で変化するかどうかを検討すると同時に、糖尿病の動物において、味覚受容体のmRNAの量が健常動物と比べて変化するかどうかを検討した。 結果、本研究は、脳、膵臓、腸管など味蕾以外の諸臓器の特定の細胞における、味覚受容体の局在・発現を、免疫組織化学、ウエスタンブロッティングおよびin situ hybridizationにより明らかにした。これらの結果より、味覚受容体が体内での糖やアミノ酸の代謝に様々に携わっている事が示唆された。また肥満、糖尿病、加齢などの条件下で、味の感受性が鈍る事、糖尿病の個体では、味覚受容体のmRNAの発現量も減少する事を、行動学的および定量的PCRにより証明した。
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