2015 Fiscal Year Research-status Report
飼育動物および野生動物を用いた環境および健康モニタリング法の検討
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23580430
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
小林 眞理子 (望月眞理子) 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 教授 (50409257)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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Keywords | 生物モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、環境指標に関して2題、健康指標に関して1題の研究を論文として国際雑誌に発表することができた。環境指標に関しては、馬血清中サイロキシンとヨウ素濃度を解析し、馬が飼育されている地域の違いを把握することができた。また、この論文を作成するにあたり、馬の健康状態を把握する必要があったため一般的な血液生化学の値を求めたが、それを利用して健康指標に関する論文をまとめることができた。この論文では、年齢による変動をサイロキシン、リパーゼなどで得ている。また、ポニーとサラブレッドを比較し、ポニーでは中性脂肪が高く年齢による上昇がみられることを合わせて報告し、品種による飼養管理の重要性を示唆した。また、環境指標ひ関する1題は、2013年に発表した鉛に関する環境指標を用いて、種々な鉛投与条件下のマウスの成績を挿入し、鉛の指標の有用性を実験動物を用いて検証した。以上のように、2015年度は、様々な研究成果を論文としてまとめることができたが、未だ未発表のものがあるので、今後はそれを成果としてまとめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本助成により、環境汚染に関しては4つ、健康指標に関しては2つの合計6題を論文としてまとめ国際雑誌に掲載することができた。しかし、学科で引っ越しがあったために研究が一時中断され、まだ発表できていないものもあり、その内容を今後の研究の推進方法欄にまとめた。すでに、解析が終了し論文にまとめるだけのものが2題あること、それ以外のものに関しても、今後順調に分析が進むことが予想されるので、研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定では、2015年度が最終年度であったが、本助成により収集することができた試料の解析を引き続き行い以下の3つを本研究の成果として解析中であり、2016年度以降に順次発表する。 1)人の尿(約100検体)の元素分析を行い、先に発表済みの動物の尿と比較し、動物の尿が人の健康のモデルになるかを検討する。2)カワウの臓器中元素濃度に関して、ミトコンドリアDNAの成績によりふるい分けをし集団間の差を把握する。(実験は終了し現在、解析中)3)馬の蹄中の元素濃度を比較し、非侵襲的に得られた試料の環境指標としての有用性を検討する。4)2015年度には、馬の血清を用いて環境指標に関するもの1題と健康指標に関する1題を論文にまとめた。環境指標の研究のために馬の健康状態を把握する必要があり、血液生化学性状を外部に委託した。現在、新たに50頭の試料分析が終了しており、これらを多変量解析して本年度中に発表する予定である。5)その他、本助成のおかげで色々な動物のサンプルを得ることができたので、順次解析を進める予定にしている。
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Causes of Carryover |
2016年1月より2題の論文を投稿したが、別刷などの請求が2016年4月以降になることが見込まれた。また、現在複数の論文を作成中であるが、これらの論文の英文校閲代金などが2016年4月以降になることが予測されたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年に発表された論文の別刷代金および、今後まとめる論文の英文校閲に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)