2011 Fiscal Year Research-status Report
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23580445
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
笹井 和美 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (70211935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 浩行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (00305658)
古家 優 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (30500706)
松林 誠 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 主任研究員 (00321076)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Eimeria tenella / Cryptosporidium parvum / Plasmodium vinckei / 鶏型モノクローナル抗体 / 抗原解析 |
Research Abstract |
アピコンプレックス門原虫の侵入型虫体が前端に保有する‘apical complex’ と呼ばれる特徴的な複合体に着目し、この複合体については詳細な機能等は不明であるが、micronemeやrhoptryと呼ばれる分泌器官とconoid やapical ring 等の細胞骨格器官により構成され、宿主細胞への侵入にはこれらの器官が深く関与していると考えられている。これまでの解析によりapical complexを認識する鶏型、マウス型の特異モノクローナル抗体の作製に成功した。本年度は、鶏型モノクローナル抗体(ChMab)を用いて、これら原虫、特にEimeria、Crptosporidium 及びPlasmodiumの先端複合体タンパク質の同定を試みた。今後は、これら複合体の機能解析を行い、同複合体を標的分子とした新しい原虫予防法・治療法の開発を目指す。材料として、精製E. tenellaスポロゾイト(以下、SP)、精製C. parvumSP及びP. vinckeiメロゾイト(以下、MZ) を用いた。精製E. tenella SP、C. parvum SP及びP. vinckei MZとChMabを用いた免疫蛍光観察の結果、SP或いはMZのapical complex領域に陽性反応を確認した。精製E. tenella SP及びC. parvum SPの可溶化抗原を用いた二次元電気泳動ウエスタンブロッティングにより、C. parvum 可溶化抗原で塩基性領域に約48kDa の単一スポットを検出した。同スポットのLC-MS/MS 解析の結果、細胞骨格関連タンパク質であることが判明した。E. tenella については、現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アピコンプレックス門に属する原虫のなかでも病原性、産業への影響の大きいPlasmodium、Eimeria、及びCryptosporidium の3種の原虫において新規鶏型モノクローナル抗体が認識する共通の抗原が存在することが証明できた。さらにEimeria、及びCryptosporidium においては共通抗原の解析が進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今後は、精製E. tenellaスポロゾイト、精製C. parvumスポロゾイト及びP. vinckeiメロゾイトが有する apical complex の共通抗原の同定を行う。(2)apical complex には細胞骨格器官も含まれており、アピコンプレックス門原虫の細胞骨格構造について解析を行う。(3)apical complex については、宿主細胞侵入に深く関与していることが知られているChMabが認識する共通抗原ついて、リコンビナント抗原を作製し、ワクチン抗原としての可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年次計画取りの研究費を使用し、経過を推進する予定である。
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