2014 Fiscal Year Annual Research Report
食用担子菌による効率的なラッカーゼ等の有用タンパク質発現系の確立
Project/Area Number |
23580454
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 利次 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00390881)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ラッカーゼ / 食用担子菌 / シイタケ / ウルシ / 遺伝子発現系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、担子菌類の中でも安全性が高く有用性が高い食用担子菌類の効率的な遺伝子導入法を確立することと、ラッカーゼなどの有用遺伝子発現ベクター系を確立することを目的とする。本年度は、シイタケの遺伝子導入法簡便化の検討、漆ラッカーゼ遺伝子の解析、及びシイタケラッカーゼ遺伝子lcc1発現抑制ベクターpChGaS-cL1のシイタケへの導入とその解析について検討した。 遺伝子導入法に関しては、エレクロトロポレーターによるシイタケ菌糸への直接導入はうまくいかなたったことから、プロトプラスト調製法の簡便化に関して検討を行った。その結果、本培養時に残存する菌糸を5回までは再利用可能であり、細胞壁溶解酵素のキチナーゼの使用量を約1/4に減少できることを明らかにした。 漆のラッカーゼ遺伝子をシイタケで発現させるために、漆の葉からウルシラッカーゼ遺伝子cDNAの単離を試み、昨年までにRACE法によりウルシラッカーゼ遺伝子Tvlcc cDNA配列を決定した。今年度は、この配列情報を基に、全長cDNA約1.7kbpをPCRで増幅後、サブクニーングしてDNA配列を決定した。その結果、既知情報とDNA配列で4塩基の違いが確認され、推定アミノ酸配列には相違がなかった。また、新規にウルシラッカーゼ遺伝子cDNAの5’非翻訳領域、シグナルペプチド領域、及び3’非翻訳領域の配列を明らかにした。 昨年までに、構成的発現遺伝子gpdプロモータによるシイタケlcc1遺伝子発現ベクター pChG-lcc1導入シイタケ株では、宿主株より2倍以上ラッカーゼ活性の高い組換え株が選抜され、導入ベクターによるlcc1遺伝子の発現が確認できた。今年度は、シイタケラッカーゼ遺伝子lcc1発現抑制ベクターpChGaS-cL1を構築して、シイタケへ導入し、得られた組換え体の解析を行った。その結果、lcc1遺伝子の発現抑制が確認できた。
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