2013 Fiscal Year Annual Research Report
偏光による複屈折を用いた維管束組織の検出及び定量法の開発
Project/Area Number |
23580463
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
村田 善則 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, その他 (40322664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 昭彦 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, その他 (70425544)
安部 久 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (80343812)
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Keywords | オイルパーム / 維管束 / 柔組織 / トランク(幹) / 偏光 / セルロース / X線回析 / 近赤外線 |
Research Abstract |
BET法を用いて、分別した柔組織の多孔性について比表面積計SA-1100型(柴田科学器械工業株式会社)を用いて調べた。試料セルの一方(吸着容器)に試料(柔組織および維管束)を入れて、他方(比較容器)は空のままとし、これを圧力センサーで読み取ることで、吸着した窒素量から表面積を見積もることができる。柔組織を用いて表面積を測定したところ、同じ重量の維管束に比べて柔組織の圧力が低くなった。柔組織は維管束より窒素が吸着しやすいことから、柔組織の表面積が維管束より大きいことが明らかになった。電子顕微鏡を用いて柔組織と維管束の画像を比較したところ、柔組織には多数の孔が空いていることを確認した。この多孔性により柔組織が水や物質の吸着性が高いことが考えられる。柔組織の空いている孔には、でんぷん粒が存在することが知られており、実際に柔組織のでんぷんは、柔組織が16.5%で6.0%のデンプンを含む維管束よりも2.5倍以上高かった。 柔細胞内のデンプン粒の樹幹内での分布をヨウ素・ヨウ化カリウム法を用いてデンプンを染色したところ,デンプン粒は,樹幹上部から下にいくに従って減少していた。また,地際部分ではデンプン粒は観察されなかった。樹幹の中間の外側部位ではデンプン粒の分布は内側よりも少なかった。地際部分の外側の維管束の木繊維は厚壁で,褐変しているものも見られた。この褐色の維管束は偏光で検出できなかったため、地際部の維管束を偏光を用いて正確に定量することは難しい。柔組織と維管束の糖化する際にはでんぷん粒を先に糖化してから、セルロースを糖化することにより効率よくトランクが利用できることを明らかにした。これにより、今後トランクを糖化発酵する場合にはデンプンの多い上部を利用し、吸着などの目的で利用する際には幹の中心部を利用すると効率的であることが示された。
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