2011 Fiscal Year Research-status Report
野生種を利用したイネ科作物における種子脱粒性制御機構の解明に向けて
Project/Area Number |
23580473
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 亮 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70467687)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | イネ / 脱粒性 |
Research Abstract |
イネ野生種(Oryza rufipogon acc. W630)由来の脱粒性を支配する新規遺伝子を同定するために栽培種(O. sativa cv. Nipponbare)由来の既知の非脱粒性遺伝子を野生種の遺伝的背景に導入し、それらを固定させた系統と栽培種のNipponbareとを再度交雑した。これらのF1植物は野生種由来の強い休眠性を回避するために胚培養を行い、受精後の胚を救出し休眠に入る前に発芽を促した。得られたF1植物は、人工気象室にて栽培し冬にF2分離種子を得た。これらのF2植物は出穂日が分離することが予想されることから、栽培種と野生種との間で出穂に関与する遺伝子座[Hd6とHd5(Thanh et al. 2011 GGS)]の2つについてdCAPsマーカーを作出した。一方、離層の形態観察のために交配に用いた既知の非脱粒性遺伝子を導入した系統の離層における樹脂切片作出し、非脱粒性遺伝子の場合における離層形成について観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り円滑に進んでいる。次年度に予定しているQTL解析に用いる分離集団作出に必要となるF1植物は複数系統準備し、万が一不稔等の影響が生じた場合に対応できるように準備した。これらは、人工気象室で日長を管理し、十分な種子が得られると期待される生育ステージにおいて短日処理を与え開花を誘導した。その結果、十分な系統数と種子が得られ、次年度における材料を期待通りに作出できた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に、栽培種(O. sativa)と野生種(O. rufipogon)間で出穂に寄与する遺伝子座のHd5とHd6を判別するdCAPsマーカーを作出した。これらを用いてQTL解析に用いる分離集団の各個体における遺伝子型を判別し、必要な個体に短日処理を与え、出穂日をできるだけ一定期間に保ち、脱粒性測定に用いる。各個体の脱粒性程度と遺伝子型を統合してQTL解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規脱粒性遺伝子座の同定のために行うQTL解析に用いる分離集団では多個体の栽培が必要となる。研究室で進行中の他の実験との兼ね合いから、栽培に必要となるポットの数が不足しているため、新たに物品購入費から栽培ポットを購入する。また、当初計上した脱粒性測定に用いるデジタルフォースゲージを購入する。次年度における研究費の大半は消耗品費として、遺伝子型決定のためのPCR反応に用いる試薬、同定に用いる電気泳動関連の試薬購入に用いる予定である。
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Research Products
(7 results)