2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23580477
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
井上 祐一 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (20284911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 浩治 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (20321515)
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Keywords | ヒト抗体 / ヒト細胞株 / ハイブリドーマ / レチノイド |
Research Abstract |
最終年度は肺癌特異的抗体産生ヒトハイブリドーマを用いて凝集形成条件について検討した。培養底面積と培地の高さについて検討した結果、細胞凝集は培地の高さが高いとサイズが大きくなることが分かった。また、レチノイン酸(RA)による抗体産生増強に最適な凝集サイズは150~200マイクロメートルであった。次にローラーボトル回転培養システムを用いて凝集形成条件について検討を行った。その結果、150~200マイクロメートルの凝集サイズを維持するために最適な回転数は0.5 rpmで、培養期間は最大7日間であることが分かった。最終的に、RAを添加したヒトハイブリドーマのローラーボトル培養7日間で、通常の約8倍の完全ヒト抗体の生産が可能であった。ローラーボトルは本数を増やすことが可能であり、回分培養でロット管理も容易なため、医薬品の生産にも適している。 これまでの結果から、A4H12のようなTリンパ球系ヒト融合パートナーを用いて細胞融合するによって、細胞凝集して抗体産生増強するヒトハイブリドーマを作製できることが分かっている。また、融合効率も適切なウシ胎児血清を選択することで30%以上に高められた。従って、抗原特異的ヒトリンパ球を取得し、本ヒト融合パートナーと細胞融合することによって、汎用的かつ効率的に完全ヒト抗体を生産できると考えられる。 既存のヒトハイブリドーマに抗体産生増強機構を導入することについては、レチノイド応答シグナル伝達機構をさらに解明する必要があった。一方で、組換え型の完全ヒト抗体の高生産についても検討した結果、RAのフルクトース代謝改善機構を利用した生産システムをヒト細胞株SC-01MFPなどに導入することによって従来の2倍の完全ヒト抗体を生産できることが分かった。 本研究の成果は、完全ヒト抗体高生産性ヒト細胞株の作製技術の開発に役立つと考えられる。
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Research Products
(2 results)