2013 Fiscal Year Annual Research Report
結晶多形を利用したキラル有機結晶の多面的観測と不斉制御
Project/Area Number |
23590002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
桝 飛雄真 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80412394)
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Keywords | 有機結晶 / 結晶多形 / キラリティー / X線回折 |
Research Abstract |
本研究は、有機結晶における結晶多形現象を積極的に利用し、結晶のキラリティー制御を実現することを目的とした。 前年度までに、水素結合性部位を有する芳香族スルホンアミド等を合成し、融解時の多形転移によりキラルな結晶が生じる例を見出した。また嵩高いアダマンタン骨格をコアに持つフェノール性分子とピリジン誘導体の共結晶化とキラルな連鎖構造の形成を行った(連携研究者との共同研究)。さらに市販のβカルボリン化合物においても、結晶多形探索を行い、新たにキラルまたはアキラルな空間群を持つ結晶多形が見出された。 当該年度においては、βカルボリン化合物における結晶多形発現の条件精密化を行い、またその過程で、物理刺激による結晶多形転移を見出した(当該年度に学会発表。論文準備中)。 またイミダゾリウム系イオン液体において、冷却時に発現する複数の結晶多形の構造と、その熱的挙動を明らかにした(連携研究者のと共同研究。当該年度に論文発表)。 これらの結果は、有機結晶における多形転移現象について新たな知見を与え、また結晶のキラリティー制御における新たな可能性を示唆するものとなった。
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Research Products
(4 results)