2013 Fiscal Year Annual Research Report
脱水縮合反応を基盤とした薬物標的タンパク質の効率的探索法の開発
Project/Area Number |
23590004
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 耕平 金沢大学, 薬学系, 助教 (40583232)
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Keywords | 標的タンパク質 / 脱水縮合 / 触媒反応 / 標識化反応 / タンパク質検索 |
Research Abstract |
(1)前年度までの知見に基づき、塩化ジメトキシトリアジン(CDMT)と速やかに反応して脱水縮合剤DMT-Amを形成する第3級アミン触媒部位のさらなる開発を行った結果、第3級アミンに対して1,2,3-トリアゾリル基を導入すると優れた触媒能を示すことを明らかにした。1,2,3-トリアゾリル基はアジドとアルキンとのクリック反応によって容易に形成できるため、種々のリガンドに対する応用が容易となり、その標的タンパク質の探索が可能となる。これらの成果を一編の論文として発表した。 一方、第3級アミン触媒の作用が溶媒効果を受けることを見出し、タンパク質標識化の溶媒である水中で、効果的に脱水縮合反応が進行するための最適な条件を明らかにし、この成果を一遍の論文として発表した。 (2)我々が独自に開発したモジュール式アフィニティーラベル化法(MoAL法)のこれまでの研究から、第3級アミンを導入したリガンド分子(リガンド触媒)は厳密な設計を要しないという、実用面から好ましい特徴が示唆されている。そこで、アビジン標識化反応に最適化したリガンド触媒を用い、リガンドが共通であるが標識反応部位となるカルボン酸側鎖の存在位置が全く異なるストレプトアビジンについて標識化反応を行ったところ、標識化反応が進行することを示した。この結果は、MoAL法が未知の標的タンパク質の探索に有用な実用的技術であることを示すもので、既に学会発表を済ませ、現在論文投稿準備中である。 (3)その他、低分子化合物とタンパク質との相互作用の解明や新規反応(剤)の開発は本標識化研究には必須課題であり、その一環となる予備的知見として、蛍光色素Sulforhodamine誘導体が血清アルブミンとサイト特異的に結合することを示し、また、生体分子の化学修飾や機能の解明に有用性が期待できる新規アルキル化剤の開発を行い、それぞれ学術論文に発表した。
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Research Products
(13 results)