2011 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームの予防・改善薬開発を目指した新規トリテルペン誘導体の創製
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23590010
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池田 剛 崇城大学, 薬学部, 准教授 (80295138)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | トリテルペン / メタボリックシンドローム / マクロファージ泡沫化抑制 |
Research Abstract |
1. Ursolic acid誘導体の効率的な調製・・・脂肪細胞のTG蓄積を抑制しadiponectinの作用を亢進する化合物であると共に、ACAT酵素活性を阻害しマクロファージの泡沫化を抑制する化合物として発見されたursolic acidの多種多様な誘導体を効率的に合成する予備実験を行った。 先ず、ursolic acid をリンゴ搾汁残渣より大量に抽出・分離・精製を行った。その精製過程で、同時に、関連化合物の corosolic acid も大量に得ることが出来た。また、トマト収穫後、不要で廃棄されるトマト地上部より、tomatine を大量に抽出・分離・精製し、比較対照物質とすることとした。さらに、tomatine を酵素加水分解して得られる tomatidine についても動物実験に利用できる量の確保を行うことが出来た。 次に、3位水酸基、28位カルボキシル基を活かした誘導体の合成を検討した。3位の水酸基にアセチル基、ベンジル基を導入した。何れも、高効率に反応は進行した。一方、28位カルボン酸はジアゾメタンでメチルエステルにした。28位の酸クロライド化は高効率に行うのは難しいと判断されたことから、WSC等の各種脱水縮合剤と各種アルコールを用いたエステル誘導体の調製と反応後処理の効率化の検討を行っている。2. Ursolic acid誘導体の生物活性の評価・・・Ursolic acid 誘導体の合成と平行して、関連する化合物の crosolic acid や tomatidine について、マクロファージの泡沫化抑制試験を行った。その結果、ursolic acid と同程度の活性を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の異動により、研究基盤の立ち上げと整備に時間がかかった。また、当初予定していた大学院学生による生物活性試験のサポートが得られなかった為、細胞レベルの評価がまだ十分に行われていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ursolic acid 等のトリテルペン誘導体ライブラリーの調製を行う。その際、緩和な条件において置換基特異的に縮合反応を行い、少ない反応工程数で効率良く誘導体を調製する。著者はこれまでにパラレル合成装置を用いて多種多様なオリゴ糖鎖ライブラリーの合成を行ってきている。本研究ではこれまでの経験を踏まえて、3位水酸基のオキシアミン誘導体、28位カルボニル基のアルデヒド誘導体を調製し、置換基特異的にワンポット反応で脂溶性の異なる様々な試薬を導入しursolic acid誘導体のライブラリー調製を行う。また、アジド基とプロパギール基を利用したHuisgen反応型クリックケミストリーにより多様性のある誘導体の調製も行う。次に、以後に行う生物活性効果と毒性の濃度の違いを明らかにするために、得られた誘導体について、サンプル投与濃度決定のための細胞毒性試験を行う。合成した各種誘導体を3T3-L1 脂肪細胞とマウス由来マクロファージ細胞にそれぞれ添加し、24 時間後の生存細胞数を WST-8 試薬を用いマイクロプレートリーダーで算出する。メタボリックシンドロームの予防・改善に関連した生物活性試験として、脂肪細胞における トリグリセライド蓄積抑制活性の検討、マウス由来マクロファージの泡沫化抑制作用の検討を行う。また、構造活性相関の検討を行い、ursolic acid に代表されるトリテルペン誘導体に更に有効な置換基の導入を検討する。そして、さらに誘導体を合成し、再び、生物活性試験を行う。この様に、誘導体の合成と生物活性試験を繰り返し、有効化合物を絞り込んで動物実験の検討が開始できるように候補化合物の大量合成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に申請している庫内防爆冷凍冷蔵庫は、反応試薬を安心・安定して保管するために用いる。誘導体の調製が軌道に乗れば反応溶媒や試薬など、冷凍冷蔵庫への保管量が増加する。現有の冷凍庫に余裕が無くなっていることから新規に庫内防爆冷凍冷蔵庫(リーペヘル庫内防爆冷凍冷蔵庫・日本フリーザー社製 CT-3213(1台×@440千円))を購入する予定である。 消耗品は昨年度の使用量を参照して、反応試薬・溶媒に各年度10万円、NMR用重溶媒に6万円、分離用坦体(Silica gel, ODS, Sephadex LH-20)に5万円、TLCプレート(順相TLCならびに逆相TLC)に5万円、ガラス器具類に5万円、培養試薬(各種培地や血清等)・器具類に15万円を計上している。泡沫化試験([3H] oleate)とACAT阻害試験([14C] oleoyl-CoA)に用いるRI試薬は10万円を計上している。研究成果が論文になる平成24年度からは論文別刷り代を消耗品として請求する。旅費等の明細に関しては、24年度には国内の研究打合せ旅費と成果発表旅費を東京出張1回分5万円と試算して各1回申請している。謝金等の支出は英文校閲の費用、その他の支出は学会誌投稿料である。
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[Journal Article] Lucidenic Acids-Rich Extract from Antlered Form of Ganoderma lucidum Enhances TNFα Induction in THP-1 Monocytic Cells Possibly via its Modulation of MAP Kinases p38 and JNK.2011
Author(s)
Watanabe K., Shuto T., Sato M., Onuki K., Mizunoe K., Suzuki S., Sato T., Koga T., Suico M. A., Kai H., Ikeda T.
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Journal Title
Biochem. Biophy. Res. Comm.
Volume: 408
Pages: 18-24
DOI
Peer Reviewed
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