2011 Fiscal Year Research-status Report
5,5-スピロケタールを有する海産ポリケチド・アスコスピロケタールの合成研究
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23590016
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (10231622)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 合成化学 / 薬学 / スピロケタール / ポリケチド |
Research Abstract |
アスコスピロケタールAは、海洋性真菌由来の5,5-スピロケタールにテトラヒドロフランが縮環した特異な三環性骨格を有する海産ポリケチドである。しかし、本化合物の鎖状部分の相対配置および本化合物の絶対配置は決定されていない。そこで、アスコスピロケタールAのC-11位C-12位間で切断し、相対配置が未決定の3-ヒドロキシ-2-メチルブタン酸エステルを含むエステルセグメントとスピロケタールを含む三環性セグメントを別途合成し、これらを結合させることによりアスコスピロケタールAを合成する計画を立案した。本年度は、三環性セグメントの合成について検討を行った。 D-(+)-リンゴ酸を出発原料に用い、カルボン酸の還元、1,2-ジオールの保護、第一級水酸基のヨウ素への変換、メチルフェニルスルホンとのカップリングにより、9工程でC-7~C-11セグメントであるスルホンを合成することができた。一方、L-(+)-酒石酸を出発原料に用い、1,2-ジオールの保護、カルボン酸の還元、三置換アルケンの構築、一級水酸基のヨウ素への変換により、12工程でC-1~C-6セグメントであるヨーダイドの合成することができた。合成した両セグメントを塩基性条件下でカップリングし、さらに酸化的脱スルホン化を行いスルホンの結合していた炭素をケトンとした。次に酸性条件下で、第二級水酸基および1,2-ジオールの保護基を脱保護したところ、スピロケタール化が進行し、5,5-スピロケタールがスピロケタールに関するジアステレオマーが3:1の比率で得られた。さらに、転位反応を用いた第四級炭素の構築、分子内エーテル化反応等により、テトラヒドロフラン環を構築し、アスコスピロケタールAの三環性セグメントに相当する化合物を合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ほぼ計画通りに5, 5-スピロケタールを含む三環性セグメントの合成を行うことができた。しかし、スピロケタールに関するジアステレオマーの比率は3:1であり、今後、Lewis 酸を用いた方法により比率の向上を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発した三環性セグメントの合成法のうち、酸化的脱スルホン化によるケトンの合成の収率が低く、三環性セグメントの大量合成には問題があることがわかった。今後、両セグメントの結合位置および結合方法を見直し、合成法の改良を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画に従い、反応試薬、溶媒、シリカゲル等の物品費に使用する予定である。
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