2012 Fiscal Year Research-status Report
5,5-スピロケタールを有する海産ポリケチド・アスコスピロケタールの合成研究
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23590016
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮岡 宏明 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (10231622)
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Keywords | 合成化学 / アスコスピロケタール / スピロケタール / ポリケチド / 薬学 |
Research Abstract |
著者は、アスコスピロケタールAの構造の解明を目指し、その合成研究を行っている。昨年度までに、D-リンゴ酸を出発原料に用い、9工程でC-7~C-11セグメントであるスルホンを合成し、さらにL-酒石酸を出発原料に用い12工程でC-1~C-6セグメントであるヨーダイドを合成した。さらに、両セグメントのカップリング、酸化的脱スルホン化により、ケトンとし、保護基の酸加水分解により5,5-スピロケタールとし、転位反応を用いた第四級炭素の構築、分子内エーテル化反応等により、テトラヒドロフラン環を構築し、アスコスピロケタールAの三環性セグメントに相当する化合物を合成した。 今年度は、上記の三環性セグメントの大量合成と三環性セグメントとカップリングする3-ヒドロキシ-2-メチルブタン酸エステルを含むC-12~C-16セグメントとの合成を行った。三環性セグメントの大量合成における課題は、C-1~C-6セグメントおよびC-7~C-11セグメントの結合方法にある。これまでのスルホンを用いた方法では、酸化的な脱スルホン化の収率が安定しないという問題があった。そこで、結合する位置、結合方法などを種々変えて検討を行った。種々の検討を行ったが、現在のところ昨年度開発したスルホンを用いた結合法よりも良い収率の方法を見出すことはできなかった。そこで、上記の方法を用いて、三環性セグメントの合成を行った。また、新たにC-12~C-16セグメントの合成を行った。このセグメントは3つの不斉中心を有しているが、その絶対配置は未決定であるため、8種すべての光学異性体を合成する必要がある。まず、(R)-プロピレンオキシドとD-リンゴ酸から(15R,2’S,3’R)の絶対配置をもつC-12~C-16セグメントの合成に成功した。同様な方法により、残りの立体異性体も合成できるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、5, 5-スピロケタールを含む三環性セグメントの効率的な合成をめざして、合成の再検討を行ったが、これまで以上の効率的な方法を見出すことができなかった。この再検討に時間を要したため、当初の予定よりもやや遅れていたが、C-12~C-16セグメントの合成法を確立できたので、概ね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、三環性セグメントの大量合成を行う。次に、これまでに(15R,2’S,3’R)の絶対配置をもつC-12~C-16セグメントを合成したが、それ以外の7つの立体異性体の合成を行う。さらに、三環性セグメントとC-12~C-16セグメントを結合させ、アスコスピロケタールAの合成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画に従い、反応試薬、溶媒、シリカゲル等の物品費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)