2011 Fiscal Year Research-status Report
センダン樹リモノイド成分の機能性評価と高度利用に関する研究
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23590017
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋久 俊博 日本大学, 理工学部, 教授 (30060213)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | センダン / リモノイド / 抗腫瘍活性 / 抗炎症活性 / 発がん予防効果 |
Research Abstract |
センダン果実抽出物 から36種のリモノイド化合物を単離し,それらのうち22種は新規構造化合物であり,構造解析を行った.発がん予防剤及び抗腫瘍剤リード化合物の開発の観点から,これらの化合物についてHL60 (白血病),A549 (肺がん),AZ521 (胃がん) 及びSK-BR-3 (乳がん) 細胞株を用いてMTT法により細胞傷害活性の評価を行い,12-O-Acetylazedarachin B,12-O-Acetylazedarachin D,3-O-Deacetyl-4'-demethyl- 28-oxosalannin及び4'-Demethylohchinolalの4種が上記何れかの細胞で強い細胞傷害活性を示すことを見出した.発がん予防剤開発の一次スクリーニング試験であるEpstein-Barr virus早期抗原(EBV-EA)発現抑制試験では,幾つかの化合物に-Carotene程度の中程度の抑制活性を認めている.また,上記リモノイド類についてLPS刺激によるRAW264.7細胞を用いたNO産生抑制活性を評価し,1-O-Decinnamoyl-1-O-cis-cinnamoyl ohchinin,3-Deacetyl-3-tigloylsalannin及び4'-Demethylohchinolalの3種に細胞毒性を示すことなく,顕著な抑制活性を見出している.一方,美白剤開発に関わるマウスB16メラノーマ細胞を用いたメラニン産生抑制試験では,何れのリモノイドドにもメラニン産生抑制活性を認めたが,細胞毒性も比較的大きく,センダン由来リモノイド類は美白剤リード化合物としては適切ではないことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
センダン果実からのリモノイド類の単離構造決定は順調に進展しているが,センダン樹の他の樹皮や葉部からのリモノイドの単離は含有量が少ないためか,困難を極めている.単離法の再検討が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
がん細胞に対して優れた細胞傷害活性を示したリモノイド類についてアポトーシス誘導活性の評価とWestern blot法などによる誘導機構の解明を行う.また,HL60細胞を用いた細胞分化誘導活性の評価を行い,優れた活性を示した化合物については細胞周期解析をおこなう.抗炎症機能評価としては,マウス耳殻でのTPA誘発炎症を指標として検体の抗炎症活性を評価する.さらに,有望とみなされた活性分子について,検証試験及び活性の作用機序解明用に再単離を行い,活性増強を目的として種々の誘導体の調製を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
リモノイド単離に用いるシリカゲル,ODSゲル,及びHPLCカラムの購入.リモノイド構造決定に必要なNMR法の重水素化溶媒の購入.生物活性試験用の細胞試験マイクロプレート,細胞培養ディッシュ,ウシ胎児血清,Western blot法抗体の購入.
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