2013 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生物由来菌類の産生する抗がん剤のシーズの探索及びリード化合物の開発
Project/Area Number |
23590028
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
山田 剛司 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (20278592)
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Keywords | 海洋生物 / 細胞毒性物質産生菌 / Trichoderma harzianum / Alternaria属真菌 / Aspergillus fumigatus |
Research Abstract |
種々の海洋生物から分離した菌類の代謝産物を検討した結果、得られた細胞毒性物質産生菌について活性本体およびその類縁化合物を探索することを目的とし、引き続き大量培養を行った。クロイソカイメンから分離した真菌Trichoderma harzianumより、3種の新規物質を単離し、それらの平面構造を決定した。このうちの一つについて化学反応及びCDスペクトルを用いてその絶対立体構造を決定することができたので論文で公表した。残る二つについても同様の方法を用いてこれらの絶対立体構造を目下検討中である。ムラサキウニより分離したAlternaria属真菌の代謝産物より2種の新規物質を単離し、それらの平面構造を決定した。これらは前例が稀有な構造を有しており、絶対構造の検討のため、さらなる培養によりこれらの補充を行った。補充ができた化合物について絶対配置の決定を目的として数段階の化学反応を計画し、実施した。その結果、あと一段階で本品の絶対構造が明らかとなるところまで進むことができた。これが完了すれば多くの化合物の絶対配置決定に有用な方法になると期待できる。今後は、より微量でも実用化できるように検討していく予定である。また、このような反応成績体についても細胞毒性することによって、構造中のファーマコフォアを見出せる期待がもてる。 以前からの継代培養菌においては、海水魚ボラより分離した真菌Aspergillus fumigatusより本研究計画の目的の一つである構造活性相関を検討するうえで重要な化合物の追加に成功した。これらの細胞増殖阻害活性は弱いものの、絶対構造とCDスペクトルのCotton効果の間に興味深い相関を見出すことができた。このパターンを解析したところ、新たに数種類の立体異性体が存在することが明らかとなり、今後も本菌の代謝物を検討していくこととした。
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Research Products
(2 results)