2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスの画像化のためのSPECTプローブの開発
Project/Area Number |
23590041
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 紀行 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (10376379)
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Keywords | 酸化ストレス / バイオイメージング / SPECT / 肝障害 |
Research Abstract |
本研究は、生体深部組織における酸化ストレスの非侵襲的なバイオイメージングを目的とし、それを可能とする新規SPECTプローブの開発を行い、様々な酸化ストレス関連疾患の画像診断へ応用することを目指している。 平成25年度には、前年度までに行った、酸化ストレスによる肝障害を可視化するためのSPECTプローブの評価を引き続き行った。このSPECTプローブは、肝の酸化ストレス障害によって活性が低下すると考えられているBSEP受容体の基質であるタウロコール酸に放射性同位体標識部位を結合した誘導体であり、これらのプローブ候補化合物についてBSEP受容体発現ベシクルを用いてその輸送能を検討した結果、タウロコール酸よりも若干輸送能は劣るものの、SPECTイメージングを行うために十分なBSEP親和性を有することが確認された。 また、同様に細胞内の酸化ストレス状態を可視化するSPECTプローブとして、細胞内酸化還元状態を制御していると考えられているグルタチオン(GSH)レベルに対応した集積を示すSPECTプローブのデザイン、合成を行った。具体的には、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)の良好な基質として知られている1-chloro-2,4-dinitrobenzene (CDNB)の誘導体をGSHセンサーとして用いることとした。 CDNBは比較的脂溶性の高い化合物であるため受動拡散によって細胞内に移行するが、細胞内でGST依存的にGSHと反応することで水溶性となり細胞内に蓄積することを期待した。そして、GSHとの反応性のことなる4つの化合物を合成し、放射性同位体による標識後、マウスにおける体内動態の検討を行った。その結果、生体内ではこれらのプローブ候補化合物は速やかにGSH抱合体となり、その後肝臓に発現する有機アニオントランスポーターを介し胆汁排泄されることが明らかとなった。
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